Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2020年04月17日

書=呼吸


和楽器は息で合わせていると以前書いた。
臨書しながらその人のリズム(呼吸)も感じ取れる気がすると
何処かに書いたと思うが、
呼吸を知るとその人物も何となく想像できる気もする。
この人めんどくさそうとか・・w。

ともかく臨書って文字を見て、線を見て、線バランスをみて
筆使いを見て、リズムを見て、呼吸を読む。所があると思う。

書は呼吸。
とも言えるのではないか。

記録は出来ていないが、ジャズトランぺッターのユン ファソンさんとのセッションで
もの凄く気持ち良くできたのがあった。凄く抽象的で繊細で、やってる時間も短かったと思うんだけど
ものすごく熱く、ある意味官能的なセッションだった。

動画はニュイブランシュ京都2019の時にフランス人ダンサー ベンジャミン・ベルトラントとの
コラボレーションパフォーマンスの一端。
「書く音で踊って」と言ったのがコンセプトのスタートで
ソコからセッションを重ねる事で出来上がった。


  
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Posted by HIROSHI UETA at 18:55Comments(1)作品/Works

2020年04月15日

見るよりも感じる桜


男前豆腐店 桜風味とうふ

和歌の続きをします。

和歌は色んな事を歌います。
恋、季節、故郷、自然そして多くは切なく、無常的。

一度満開の桜の歌を探しました。
満開で美しい!嬉しい!テンション上がる‼みたいな。

見付けられなかった。
これから咲く事を待ち望む歌、もしくは散ってゆく歌ばかり。

きっと見てるだろうけどそれは歌わない。
もしくは見るよりも想像する方が美しいという事かも知れない。


これまで広告の文字は墨色というよりは
文字を見せる事を主にしていましたので、文字の黒はベタ黒にしていましたが
この桜の文字は初めて墨の濃淡を利かせる様にしました。

醤油というよりは塩であっさりいただいた方が桜の風味が感じられて
そのほんのりとした感じが春を感じさせてくれますよ。


  
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Posted by HIROSHI UETA at 14:16Comments(0)道程作品/Works

2020年04月15日

なぜ歌をうたう。


作品「ぬばたまの月」 青空blue 大丸心斎橋店:店内に展示

何故日本人は昔から歌を作っていたのだろう?
(短歌の事ね。)

万葉の頃から。
何度も歌集を作り、語り継ぎ、書き残し。

確かに中国の漢詩から来てるのだろうけど
それが天皇の命令で和歌集を作ったり、和歌を専門とする貴族が居たり。
和歌を送ったり、返したり。
器の箱に、茶杓に和歌を書いたり。飾ったり。
ホントに不思議な文化。

想像するに和歌ができたから平仮名が生まれたんじゃないかと。
教養としての部分があったというのはなんとなく想像できるにしても
なぜそこまで執着していたのか?

今で言うと歌謡曲で
百人一首はその時のベストヒット100な訳で
美空ひばりからミスチル、エグザイルまで。誰でも口ずさめる有名な曲。
なんて事かと想像した時もあるんだけど
もっと強い思い入れを感じる。

なんか重要なヒントがあるんじゃないかと想像する。

  
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Posted by HIROSHI UETA at 01:08Comments(1)道程作品/Works

2020年04月14日

書になるという事。


作品「蹟」2019

過去、具体と墨人の間では分かり合えなかった。
書の人間が書であるが故の呪縛から逃れられなかった事と
具体美術の立ち位置が西洋側に置いていたからだと思う。

結局は具体も西洋側とは分かり合えず
また墨人もしかり。
我道をそのまま進む事になった。

しかし現在は海外でも具体や井上有一を始め墨人の作品が再評価されている。
当人達が知ったら驚くだろう。

グルーバルの世界で必要なのは価値観がイコールになる事ではなく
多様性を面白がる所。
世界中がリアルタイムに見えるからこそ余計に
同じ価値観になってしまうほどつまらない事はない。
虹を7色に見えたり、3色に見えたりするから面白い。

書になるという事と
現代美術になるという事。
これらをあの人達は散々考え抜いたんだろう。

とにかく色んな事が腑に落ちた。








  
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Posted by HIROSHI UETA at 02:49Comments(0)道程作品/Works

2020年04月12日

ユズレナイ


作品「曲がった"と”」の鏡

表現は自由であるはず。
しかし文字には書き順があり、文字である為のルールがあり
書道である為の道具があり
私は未だに"二度書き”する事ができない。

立体、版画、写真、ステンシル、デジタルと
散々色んな表現をしてきたのに
未だに"二度書き”ができない事にふと気付いた時、驚きと共に笑えた。

気付いたんだからできるのかと言えば、やはりできない。

書き順は文字の柔軟性が分かったから変えられた。
道具も表現の必要性から変えられた。
しかし二度書きはしない。

なんだろう?この呪縛。

華の抛入(なげい)れの様な。
陶芸の火入れの様な。
音楽の即興の様な。
もう一度、もう二度とが無いが
ユズレナイ・・。

三味線や琵琶には「障り」というのがあるらしい。
ピアノの様なクリアじゃない音にワザワザ調律するという。
こういうのも似てるかも知れない。

和楽器とオーケストラを一緒に演奏する難しさを聞いた事がある。
タイミングの取り方が違う、そして毎回変化する。
これももう一度、もう二度と無いもの。

  
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Posted by HIROSHI UETA at 02:02Comments(0)道程作品/Works

2020年04月10日

自分ルール


作品「蹟」 2019

音があり、それを書き留める譜面の規則ができた。
その後、規則をイジクる事で音楽を作る事が起こった。

人に伝えたかった。伝える為の方法が作られた。
その方法使って、人に伝わり難くする事が起こった。

綺麗に着飾りたかった。どうすれば綺麗に見えるか洗練された。
その洗練された方法じゃないと邪道だと言われる様になった。

物を大切に保管したかった。箱が作られた。
その箱を大事にする箱が作られた。箱にも価値が付いた。

客観的に見ると笑い話。
本質を忘れないでと自分にも当てはまる事。

そして本質さえ間違えていなければ
他の方法、別のルールも作れるんじゃないのか。

  
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Posted by HIROSHI UETA at 18:55Comments(0)道程作品/Works

2020年04月09日

息を合せる。


作品「蹟」2019 個人蔵

バンドにはベースやドラムのリズムセクションがあり
ビートボックスは正しくビートを刻む。
オーケストラには指揮者がおり、指揮者に合せる事で多くの人間が一緒に演奏できる。

リズムって結構大事な事は想像できると思う。
リズムに演奏者全員が乗っかる訳なんだから。

三味線と琴の演奏会や雅楽、能の舞台などに触れた事があるが
あんなゆっくりした演奏にも関わらずリズム隊がいない。
ゆっくりしたテンポほど合奏するのが難しいのに。
聞くと息を聞いてるらしい。
まさに「息を合せる。」

書道の臨書をやってて最近疑ってる事は
本当にこの人は私と同じように筆を持ってるのか?
同じ様な角度で筆を使っているのか?
もしかして左利き? なんて事を考えたりしている。

私の今の想像では平安時代の人達は正座をしていない。
どうも正座という言葉になったのは明治前後。
もちろん今の正座の様な座り方はあったが、それは神仏に対する座り方だった様。
じゃあ今臨書してる平安時代の書はどんな体勢で書いていたのか?
そんな事からはじまり、今の書の常識とは違うんじゃないのかと疑う様にしている。

そしてもう一つ臨書をしてて感じるのはその人のリズム。
ここで一呼吸入れるのか・・・。ここは一息入れないのか・・・。
線や形を見つつも、呼吸を後追いしてる気もする。

たぶん呼吸と鼓動はリンクしてる。
そして音楽で心地良いと言われるのは歩くテンポ。



  
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Posted by HIROSHI UETA at 18:49Comments(0)道程作品/Works

2020年04月08日

その先は自分で考える。


作品「れんめん」

フランスで起こったアンフォルメルのアートムーブメント。

ずっと前から興味があった具体やモノ派の日本のアーティスト達。
具体なんかは芦屋の方で活動をしていたそうなのだが
年表を見てみると私が生まれた頃に芦屋の松並木の屋外で
展示していたらしく、実はそんなに昔の話でもない。
母が言うには変な人達がいるなあと思っていたらしい。
芦屋の市立美術館に行くとその辺りの資料が見られる。

ソコに森田子龍等の書道の人間たちも交じっていたらしく
一緒に写真に写っている

そんな日本のアーティスト達に影響を与えたのがアンフォルメルの人達。
度々日本に来てはパフォーマンスや展示、講演などを行っていたらしい。

墨美を創設した森田子龍や井上有一らの所にも呼ばれ交流を深めていたが
お互いにどうも意気投合できなかった事が
書の人間は余白を禅などの日本の文化、美意識を持って説明しようとするも
それが伝わらない、この漠とした所にいつも逃げ込むが、その漠とした所の説明がつかない。
日本のアーティストの難しいさがここにある気がしてた。

確かにあるハズなのに、いざ口に出そうとすると煙に巻かれる。
光悦の茶碗や、龍安寺の庭、良寛の書。近づこうとするほど離れていく。

昔から日本人が日本の美意識に興味を持ち、如何に他とは違うのか
如何に優れているのかと追及し、本にし語ってきた。本当にそうなのだろうか?

具体のアーティスト達もアンフォルメルの話を聞けば聞くほど、自分達の思ってたのとの違いを感じ
結局独自の方向に進んでいったと思われる。

しかしアンフォルメルの先に今のヨーロッパの現代アートはあるし
前衛の書道で言うと墨美の先に今の書がある。漠としたモノはそのままに・・。

  
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Posted by HIROSHI UETA at 20:26Comments(0)道程作品/Works

2020年04月07日

当たり前を考える。


作品「忄(りっしん)」 2019

神様、仏様の前では願い事をしますか?
お守りにもそういうのが沢山ありますよね。
家内安全や交通安全、厄除け、良縁とか・・。

フランスのアーティスト達と話してたら

=え!教会でお願い事するの?なんで?
 神は全てを知ってるんだからお願い事なんかしないよ。

じゃあ例えば教会でお祈りしながら何を言ってるの?
=感謝。

おお~!
=いつも見守ってくれてありがとう・・みたいな。

こういう違いって面白い。
神だのみという言葉さえも無い訳ね。
「なんならお願いする時に自分の名前や住所まで伝えとく人もいるよ。」
なんて話すと大ウケしていた。


文字鑑定、筆跡鑑定のジャンルの研究をしてるアーティストに
この文字からなんか読み取れる?って見せられたアメリカの精子ドナーの手紙があって
英語なんで難しいなあと思いながら、文字の書き方や、クセから感じる事を話していたのですが。

ああ、そう言えば家に遺書や死刑囚の残した絵や文章の本あるよ。興味ある?
=エッ死刑があるの?
うん。あるよ。

=自殺するのになんで文章残すの?
何か言いたい事があるからじゃない。

=言いたい事があれば言えばいいじゃない。
んんん・・・。

死刑の事は法律の事だからここでは一旦置いといて
遺書って言いうのはもしかして文化なのか?
自分の意思ではないにしろ自殺しないといけない場面(切腹とか)が昔はありました。
そういう時は言い残した事がきっとあります。
だから遺書というモノができて、遺書という言葉が日本にはある。
遺言とはちょっと意味合いが違いますよね。

ともかく日本には死刑があり、遺書がある。
当たり前な言葉だと思ってた事が、当たり前じゃ無かった訳で。
色々と考えさせられるきっかけになったというお話。

なんなら絶筆というのもありますね。
お坊さんがいよいよという時に
弟子達が「最後に一言!」と筆と紙を差し出す。
なぜ言葉じゃなくて書き残すという事になったのか、これも考えると興味深い文化。

(ちなみに私は基本お願い事はしない派)  
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Posted by HIROSHI UETA at 13:24Comments(0)道程作品/Works

2020年01月16日

2020年を語る前に

長らくブログの更新を怠ったままで
ホームページの更新をして居りました。

http://www.uetahiroshi.com/良かったコチラをご覧ください。

2019年ニュイブランシュ京都でのフランスのダンサーのベンジャミンとのコラボレーションの様子。

同じ参加者の方が撮影をして下さってたのですが
本番はお客さんが多過ぎて撮影し難かった事と
リハーサルの様子が面白かったらしくて
ほとんどがその時の模様ですね。

墨を塗りたくって、真っ黒になったベンジャミンの様子は
HPの方にありますので
http://www.uetahiroshi.com/Performance.html
コチラでご覧下さい。

また神戸での個展も多くの方にお出で頂き誠にありがとうございました。
神戸新聞さんが大きく取り上げて下さったので
その反響も大きく、出身の淡路島の方々や
嬉しい出会いも沢山ありました。
ごく一部なのですが、これも
http://www.uetahiroshi.com/Exhibition.html
コチラの方に掲載しております。

今後もまた一緒にやろうと話している京都コンポーザーズジャズオーケストラさんとの
芸術センターで行ったコラボレーション。

こちらはYahoo newsでも取り上げて下さっています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tomizawaeichi/20190714-00134251/

去年の今頃はパリでメゾン・エ・オブジェに参加し
その後こんな事をやっていました。


そして照明デザイナーのセリーヌライトさんとのコラボレーション


グルノーブルのヘーベルト美術館でも壁面に書いてしまいましたし
生中継 五山送り火のTV番組タイトル


4日間のみの限定発売の男前豆腐店さんの「五山の送り火とうふ」もありましたね。
これまでの集大成の様だった白沙村荘橋本関雪記念館での個展も
かなり思い切った事をさせて頂きました。
長く構想を練っていたので、私にとってもかなりのインパクトのある展示でした。
VRパフォーマンスやったり、コラボレーションディナーをやったり。
http://www.uetahiroshi.com/Exhibition.html
さあ今年は何があるでしょうね?
幾つか決まっているグループ展はありますが
個人的にも他にやっていかないといけませんね。
皆さんにとっても良い年になります様に。

  
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2019年07月31日

Jazzビッグバンドとのコラボレーション

JazzビックバンドKyoto Composers Jazz Orchestraさんとの
コラボレーション公演『音、沈黙と測りあえるほどに』が7月5日にありました。

トランペットのユンさんの攻撃的なソロには
静で対抗。
墨がジワ~と浸み込んでいく冷たさ、感触。

会場は京都芸術センター。元明倫小学校の講堂という素敵な空間。
(芸術センター内には商品ロゴを書かせて頂いてる前田珈琲さんもありますよ。)


養生した上に約7m×6mの紙面を用意。
照明がセッティングされ、影の様子をチェック。

パリでチェロミュージシャンのGaspar Clausさんと一緒に演った頃から
セッションという形で演奏者との駆け引きする事が楽しくなっています。

谷口さんとの演奏はバックの音が無く、静寂の中
トロンボーンと筆の走る音、墨の滴る音のみで駆け引き

これまで
書をする自分と、ミュージシャンとしての自分を一緒にする事は出来ないのか・・。
と考えていましたが、ここに来てようやく繋がってきた様に思います。

ひとつは墨を磨る音、落ちる音、筆の走る音も音楽としてなり得ると感じた事。

またセッションする駆け引きは、ブルースを演奏する上で散々これまでやってきました。
相手が出てくれば、引く。 または一緒に絡んでいく。 自分が前に出る、相手が引く。
音を聞きながら、アイコンタクトを送り合ったり、身振りで指図なんかも使いながら
時にしつこく。 時に間を置き。 リズムに添い、または裏をとり。

こういう音楽の醍醐味を知ってる事が、共演するミュージシャンとの駆け引きを楽しくしてくれます。

この曲にはお坊さんの読経が絡み、またソプラノの声もはいります。
作曲の山本翔太さんはこの機にお経も沢山勉強されたとか。
またソプラノの声も歌というよりは楽器的要素として使われていますが
やはり声って強いですね。非常にドラマチックに感じられます。

抽象的な曲ですが全くのセッションという訳ではなく、曲としての筋は決まっていますので
私も大体の曲の流れを頭に入れました。しかしイメージを何となく想像しただけで
私のやる所は全くのぶっつけ本番。
またサックス、トロンボーン、トランペットのソロは互いにアドリブです。

音を記録し、また一緒に奏で、墨の薫り、またその冷たさも見て感じて欲しい。
そんな風に思っていました。
本当にスリリングで、繊細で、大胆で。
夢中でしたが何とも言えない気持ち良さと
あとに引く余韻で次の日までビリビリしていました。

全ては伝わらないのですが
youtubeに上げて頂いていますので
良かったらどうぞその一端をご覧になってみて下さい。
微かな音と大きな音が混在していますので気を付けて頂きたいのですが
できたらボリュームを大きくして、墨の落ちる音や筆の走る音も
聞いて頂けたら嬉しいです。

またこの公演を音楽ライター/ジャズ評論家である方が記事を書いて下さって
yahooニュースに掲載して頂いています。
コチラも是非読んで頂ければと思います。

次は京都で開催されるアンスティチュ・フランセ主催の「ニュイブンシュ」(10/5)に
パリのダンサーとコラボレーションパフォーマンスをする予定です。
より進化させるつもりでいますのでどうぞお楽しみに!


京都コンポーザーズジャズオーケストラ directed by 谷口知巳
作編曲:山本翔太
ソプラノ:岡本真季
読経 :鈴木康照 清水考彦 山口顕慎 夏井皓栄
 書 :上田普
総合演出 谷口知巳

  
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2019年07月03日

個展「墨韻生動」閉幕


1ヵ月もの展示。どうなるモノかと正直不安はあったのですが
多くの方にお出で頂け、無事に終える事ができました。

お越し下さいました皆様。
ご協力頂きました関連企業の皆様。
イベントを盛り上げてくれ、共に喜んで下さったギャラリーの皆様。
暖かく見守って頂きました橋本家の皆さん。
コラボレーションで腕を存分に振るって下さったレストランNOANOAのシェフの久世さん。
お茶会を催して下さり、盛り上げて下さった光泉洞関係者の皆さん。
私のリクエストに応えてくれる表具屋さん。
いつも興味を持って見てくれている道具屋さん。
急なお願いにでも助っ人に来てくれたニッチモンw。
そして常にサポートしてくれる家族。
ホントにありがとうございました!



大きな区切りと、新たな出発になる展示になったのだと思います。

橋本関雪へのオマージュを制作する事でこれまで気になっていた文人という新しいテーマ
を掘り下げようと思いました。



関雪が制作してたこの場所で墨を磨れた喜び。


久しぶりの京都での展示でしたので初めて作品に触れて下さった方も多かった。




イベントでは関雪の筆使いを感じて頂こうと関雪の石碑の漢詩を臨書。
また雷鳴轟いたVRでのパフォーマンス。





驚きや工夫を凝らしたNOANOAのシェフとのコラボレーションビュッフェ。




それぞれの事はまたもう少し詳しくお話しないと勿体ないので
またの機会にしますが
それぞれが印象的な出来事で一言では全然言えませんが
様々な人、事、物、天までもが味方してくれ、無事に終えられたと感じています。
とにかくありがとうございました!

これから帰って来た作品達の整理&片付けを行います。
これもホント大変・・(-_-;)。

  
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2019年03月18日

東京展パリアーティストとのコラボ事業の成果展示

昨年から関わってきて様々なご縁を頂いたこの事業も
いよいよ最後の展示。
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「Savoir-faire des Takumi 対話と共創」 HP:https://www.kyoto-paris.art/
会期:2019年3月20日(水)〜3月26日(火)
会場髙島屋日本橋店 本館6階 美術工芸サロン
   営業時間10:30〜19:30 (最終日16:00閉場) 
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私は20日と21日会場におります。


これで終わりか~と思うと感慨深い。
この企画前から京都にあるフランスのアーティスト向けレジデンスヴィラ九条山とはご縁があり
ソコに滞在するアーティストが墨や紙に興味があると
私の所に来て色々とお話、実験をしていましたが
いざ自分が行く事になると
点での接点が線になり、その線が結ばって面になっていった。
それを実感できる事が数多く起こりました。


人の繋がりって面白いですね。



この企画に参加して何が良かったって
向こうでのギャラリーとの接点ができたという事はもちろんですが
それ以上に素敵な人達と沢山出会えた事でしょうね。
素敵な人達・・・・いやもう”友達”ですね。
その事がホントに財産。



私にとってこの企画での展示は最後ですが
私達のつながりは今後も引き続き残っていきます。
色んな人と「またやろう!」「また会おう!」と沢山言ってきました。
儀礼的なモノではなく、ホントにお互いそう思える仲間と沢山出会えたのは
お互い本気で取り組み、苦労し、良いモノができたから。
そうでないと「次も」って思えないですよね。






この企画:京都×パリ「京ものアート市場開拓支援事業」 という京都市とパリ市による事業です。
実際京都市からもサポートを受け、また京都市の後ろ楯があるから様々な重要な機会を
頂けたという事が沢山ありました。私がパリで体調崩した時に「薬沢山ありますよ」「味噌汁いります?」
なんて心に沁みるサポートも。
個人の動きではまずこれは無理だなあと実感する事が沢山。
またコーディネーターとして現地に詳しく、また向こうでのビジネス展開にも長けているTIC研究所さん
がガッチリ支えてくれているのでご縁が拡がったという事もありました。
なので我こそはという方にはオススメします。
実は、形は若干変わるかも知れませんが4月から新しい募集も始める様です。
興味ある方は募集を見逃さない様にして下さいね。

今回の展示以降も
実は日仏会館ヴィラ九条山の企画に関わっていく事になっています。
それは10月に京都での話になる予定。また本決まりになればご紹介させて頂きます。
とりあえず関東の皆さん髙島屋日本橋店でお会い致しましょうね。
  
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2019年03月08日

パリでの出来事一気にまとめて。

1月にフランスに行ってきたのですが、2月にも再び行ってきました。
色々やってきて詳しくご紹介したいのですが
しばらくそのツケが溜まっていますので
ざっとこんな事をやってきました。そして今もやっていますという事をご紹介致します。。

まずグルノーブルのエベール美術館(musee hebert)での展示(3月末まで開催中、ワークショップそして突然の公開制作。



そして京都×パリのTAKUMIプロジェクトの展示をメゾンエオブジェで行ってきました。


その後アトリエブランマントというギャラリーで展示。

以前MTRL KYOTOさんでご一緒したマスキングカラーさんと
メゾンエオブジェで再会をしまして、マスキングカラーさんのご協力のもと
アトリエブランマントのガラス面にパフォーマンスを行いました。


両会場でご縁を頂き2月に再びパリへ。
照明器具ブランドのCeline Wright(セリーヌライト)の20周年パーティーでパフォーマンス。
またVIP用に特別コラボも行いました。





マレ地区にあるギャラリー330 sasaréでは
チェロミュージシャンのガスパールとギャラリーオーナーAIさんとパフォーマンス。
この展示FLEURS DE PEAUは3月19日まで開催中。



またサンルイ島内のギャラリーL'embrasserでは書道ワークショップと
ピアノの松井花枝さんとのコラボレーションを行ってきました。
これの写真が全然なくって。また写真を送って頂いたら追ってご紹介致します。

とまあ駆け足ですが簡単にご紹介。
素敵な方々とご一緒してきましたのでそういうお話もしたいですし
もっと詳しくご紹介したいのでそれはまた改めてさせて頂きます。

そして次はパリ×京都の展示が次は東京・高島屋日本橋店で開催されます。
3月20日(水)-26日(火)
コラボ作品以外にも私個人の作品も数点展示して頂ける予定です。
どうぞお楽しみに。
  
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2018年09月25日

イベント情報付。「京都×パリ」コラボレーション企画進行中

パリの装丁アーティストジュリーとのコラボ企画も着々と進行しています。
メール、メッセンジャー、事務局も同席しsypeなんかでも話しあい。
互いにどんな風に進行してるのか確認しながら進めています。

製作しているのは2点。
今は一応”ISHI-book”と”KONSEKI-book”と呼んでいますが
どちらも面白い方向で進んでいて完成するのが本当に楽しみ。

ISHI-book はジュリーのアイデアでなんと動く本に!!
でもイメージとしては床の間に飾って、掛軸と花に代わる様な本に。

KONSEKI-bookはオブジェ的でもありながら
読みモノでは無いですが、ページをめくりながらその
動きを楽しんで頂ける様な本に進んでいます。

イメージを共有する為に送り合った資料

道具

床の間イメージ

お坊さんの修行“行”の説明の為に。

重箱の使い方イメージ

掛軸の八双部分

箱の中の仕様イメージ

漆紙

離れた場所で、それぞれ違う価値観でひとつのモノを作るとなると
どうしても説明が多く成りますね。
でもこの一個一個をクリアにしていかないと大きな誤差になる事も今回の事で学びました。
よく言ってしまう「まあだいたいこんな感じで」という曖昧な感じでは伝わらないですね。

いよいよ来月にパリのアーティストが京都にやって来ます。
アチコチ一緒に見て周ったり、製作も進めるのですが
ひとつ大入さんという経師さんの所に伺わせて頂くのですが
なんと私が番組タイトルを書かせて頂いた「京職人手帖」に出演されていました。

素晴らしいお仕事でしょ。嬉しい偶然です。
拝見させて頂くのが楽しみ。

この時期ちょうど京都×パリのイベントも幾つか開催されます。
・夜にギャラリーを見て周る芸術祭 ニュイ・ブランシュKYOTO 2018 
・パリ市京都市友情盟約締結60周年事業「響き合う創造Création sous influence
どうぞ芸術の秋。パリの雰囲気を楽しんでみて下さい。

そして私達のコラボレーションもどうぞ楽しみに!

  
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2018年02月05日

作品製作のルール-四国大学卒業制作展-

私が非常勤で集中講義をやっています
四国大学文学部書道文化学科の卒展が開催されます。

平成29年度 四国大学文学部書道文化学科 卒業制作展
会期:2018年2月9日(金)~12日(月)
        10:00~17:00
会場四国大学交流プラザ3階 キャンパスギャラリー

年々作品の表現の幅も拡がり見応えのある内容になっています。
4年間書道に取り組んできた学生達の力作を是非ご覧下さい。

私も卒展の制作は大変だった事をよく覚えています。
大学に収める作品が一点必要なのですが
その時書いたのが「無一物」。
画像は無いのですが書いた時の感覚はよく憶えています。

提出期限間近で大学の昼休みの時間でした。
部屋に駆け帰り、キッチンの狭い板場に下敷きを敷き、書きまくっていました。
書いてはダメ、書いてはダメ、書いてはダメ・・・・と紙を撒き散らしながら。
その時・・・・・・デキタ!
ふと書き終わった時に「デキタ!」 と思えたのです。

それまではそこそこ書けたと思えた物を置いといて
幾つか揃ったら、それらを並べて見比べ、一番マシと思える物を作品として提出してましたが
その時初めて感じた「デキタ!」という感覚。

疑いようも無くソレは「デキタ!」って作品に思え
テンション上がり、こ踊りしそうな嬉しさを憶えました。

それから、そして今でもその感覚が自分の作品を作る時のルールになっています。
「デキタ!」と思えるまで書く。

製作している時にカスる事はよくあります。(悪くないんだけど、めっちゃまでは良くない状態。)
一応置いておく習慣はまだあるのですが
スグ次の紙を出して書きます。(次を用意するって事は駄目な証拠だな)と自分に言い聞かせます。

そして何度もカスっている内に
「デキタ!」がやってきます。 
今日なのか、明後日なのか、いつやってくるのか分らないのが厄介な所なのですが
それでもいつかは必ずやってくる「デキタ!」を待ちながら制作する。
その製作ルールは22年前の今頃できました。

作品「無一物」

今年の卒展には講師として私も一点出しています。
色紙作品をいうお話だったのですが、色紙サイズ位だったらと思いコレを出しました(笑)。
そう。自分の卒展の時のと同じ「無一物」です。
なのであの時の事を思い出さずにはいられませんでした。

学生達頑張って下さい!私も9日に見に行きます。







  
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2017年12月27日

映像製作 @時代祭館十二十二(トニトニ)

平安神宮のスグ隣に時代祭館十二十二(トニトニ)という商業施設が完成しました。
「365日、時代祭はここにある」そういう建物です。


それを可能にした映像があるのですが
その映像制作に関わらせて頂きました。

上部に長ーいスクリーン

アニメーションの行列が歩いています。

40mもある長いスクリーンと大きな3面のサイネージで
時代祭の行列、そして各行列の紹介をおこなっています。


この製作には実際に私の所で
書いている所を撮影し、文字が書かれていく所が表現されています。
この生れていく様な感じが生々しくて面白いんですよね。

筆と手もうつっています。


私の文字が登場し、その後実際に使われている装束や
行列の成り立ちなどが紹介されている映像になっています。
30~40パターン位ありますから見て楽しい映像になっていると思いますよ。



維新

白川女

升田学さんのワイヤーアートも数カ所に。

提灯の中、下にも行列が


平安神宮周辺の岡崎と呼ばれる辺りは
あまり飲食やお土産を買う所が無かったので
ちょっとの休憩、買い物をするにはもってこいの施設ができましたね。


また今後 秋元康 氏のプロデュースによる劇場も2階にできるとの事。(!?)
京都にアイドルの聖地ができるのか?
詳細は知りませんが、とにかく今まで京都に無かったモノになりそうな予感・・・。

色んなメディアでも宣伝して下さっています。
TRAVEL.JPhttps://www.travel.co.jp/guide/article/3633/
読売http://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/news/20171219-OYTNT50278.html

どうぞ京都岡崎の美術館や平安神宮参拝の折には
近くの時代祭館十二十二(トニトニ)に足を延ばして見て下さい。
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映像製作PixelEngine LLC.三谷正
アートディレクター:山崎なし
アートディレクター&ワイヤーワーク升田学
上田普


  
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Posted by HIROSHI UETA at 20:12Comments(0)作品/Worksメディア/Media

2017年12月12日

世界に向けて英語版「絵本化鳥」の発売と泉鏡花フェス2017


2012年に発売された絵本化鳥が今年英語版も完成しました。


装丁の美しさとイメージはそのままに上手くまとめたな~と
デザインの泉屋氏の仕事には感服。
日本の本には必ず付いてる帯が無くなったのもより洗練されて見えます。

日本語版では右にページをめくる装丁だったのが
英語では逆になったのが大きな違い。

英語版を製作にするのに色々大変だったと思うのですが
何より鏡花の独特の文体を理解した上で英語に訳せる方が見つかった事が
大きな事だったと思います。

その英訳をされたのがピーター・バナードさん
yahooニュースでも紹介されました。コチラ
そんないかに英語版化鳥が製作されたのか
11月に開催された泉鏡花フェスティバルで紹介されました。

トークの様子
私の前列の方は日本語版、英語版の両方手に持ち熱心に聞かれていました。

泉鏡花フェスティバル会場の金沢市民芸術村


トーク後は中川さんサイン会になりました。


絵本化鳥ワークショップ。
装丁デザインの泉屋さんMUSIC ZOOの安藤さんがステンシルを使ったワークショップを開催。

こんな素敵グッズが作れます。




化鳥グッズが入ったガチャガチャ!!

マスキングテープ

缶バッチ

2日間で9回も行ったワークショップが全て満席という盛況ぶり。

ちょっと時間があったので
金沢で135年の歴史を持つといううつのみや書店
その中の文豪カフェ あんず

そう! このロゴは我らが泉屋氏が製作。


ちゃんと英語版絵本化鳥がソコに

さすが歴史のある書店
100年前の創業30周年の時に贈られたという様々な著名人の書状

与謝野晶子

夏目漱石

日下部鳴鶴


さすが本拠地金沢です。
泉鏡花に関してものすごくウェルカムな感じがしました。
というか
そういうお仕事をさせて頂いたという事ですよね。ありがたい。

これから海外に向けて英語版 絵本化鳥いや"A Bird of a Different Feather"は旅立っていきます。
今後の展開が非常に楽しみですね。
ぜひ海外の書店で出会いたい!

もちろん日本でも購入は可能です。
絵本の中の本文、解説は英語になっていますが
鏡花の原文は日本語で入っていますので同時に楽しんで頂けると思います。

国書刊行会 http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336062086/
どうぞ宜しくお願い致します。

鏡花に似てると言われます。
なんなら寄せていこうかな・・。








  
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2017年12月05日

影の作品

報告がすっかり遅いのですが
Sagaの茶無事に終わりました。

明月

沢山の方に楽しんで頂けた様でありがとうございました。
今回はあまり在廊する事ができず
ギャラリーにほとんどまかせっきりになってしまったのですが
沢山の方が楽しんで下さったと聞いています。

今回の展示では有名な方や、茶道具を普段からバリバリ制作されてる方が多く
私なんてほんとペーペーという立場で
皆さんの胸をお借りつもりで参加させて頂きました。

そんな中、奥の「闇空間の壁面任せた」と言われており
じゃあと制作したのが
アクリルを使って影を見せるように制作した作品。

一期一会

無一物

明月

明月は文字を崩したモノにしましたので余計に難解にしてしまいましたね。
文字は全てを見せる様にはしないで、その片側という感じで表現し
空間に文字が溶けていく様な事をイメージしました。
展示風景



漆の作品ってやはり素敵ですよね。
どうも惹かれてしまいます。

今回の作品も含めてHPの方にも新作を幾つかアップしました。
Gallery ART には過去の個展の展示風景をコンセプトと共に見て頂ける様にしましたし
Gallery ART2 には今回のアクリル作品の他、木津川アート2012年の懐かし~い「そして誰も居なくなった」
また
Designのページが多く成りましたのでファッションのページを新たに作りました。
どうぞ一緒に楽しんで頂ければと思います。

ありがとうございました。




  
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2017年05月31日

ミラノで3人展「Japan ISM」 

来月6月20日からイタリア・ミラノで3人展を致します。

----------------Japan ISM----------
日時:2017年6月20日~7月2日 12:00~19:00
   dal 20 Giugno al l Luglio 2017
   Vernissage 20 Giugno 2017 dalle 18:30
オープニングパーティー:6月20日18:30~
会場Chie Art Gallery V.le Premuda,27 - 20129 Milano -
参加作家  宮本信代 墨の絵 Miyamoto Nobuyo- Pittura a inchiostro
      上田 普  書 Ueta Hiroshi - Calligrafia
      安藤なおみ レザークラフト Ando Naomi - Lavorazione del cuoio
書道ワークショップ:23日&30日 17時~
   Workshop di Calligrafia Giapponese
   ll giormo 23 e 30 Giugno dalle ore 17.00

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・・・・?と思った方、正解です。
母と妻との3人展です。ファミリー展ですね。
母 宮本信代 Miyamoto Nobuyo



妻 安藤なおみ Ando Naomi


私は運びやすいように持って行く作品を掛け軸に仕立て中。

ueta hiroshi


またTRINITASとのコラボ服も新作を幾つか用意します。
ファッションに厳しいだろうミラノの人達に受け入れてもらえるかな・・?

2014年ブルガリアでアートイベントに参加した際
途中ミラノに一日だけ立ち寄り
今回の会場を下見させて頂いていました。
横にはカフェがあり、通りに面した素敵なギャラリーです。


このギャラリーからの眺めがエエなーと。

もしお知り合いや、その頃イタリアに居る。なんてありましたら
是非お立ち寄り下さい。


  
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