Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2023年11月30日

セリーヌ・ライトさんとパフォーマンス関西日仏学館(京都)

9月にパリ デザインウィーク2023で
照明デザイナーのセリーヌ・ライトさんと行ったコラボレーション。

既にインテリアショップからのオーダーを受けて頂いてて
こういうのを幾つか制作させて頂きました。

その後「陰と陽」と題してセリーヌさんのショールームでコラボレーションのパフォーマンス。
セリーヌさん自身はパフォーマンスなんか初めてと言ながら
何度も何度もリハーサルを行って
なんとか無事に行う事ができました。

その時の様子の編集も終わりましたのでご覧ください。

みんな扇いでるでしょ。ほんとに暑かったのです。
フランスってあまりクーラー使わないのですよね。
夕方になるとワインボトル片手に外に出て涼むって感じで。
家でもクーラー使わない。あるのかな?
ともかく入れない人は外からも沢山見守ってくれていましたね。

この「陰と陽」のパフォーマンスですが
京都でも行う事が決定しました!

現在セリーヌ・ライトさんは関西日仏学館に照明を取り付ける為に京都に来てて
そのお披露目として再びコラボレーションパフォーマンスを行う事になりました。
日時:12月13日(水)18:30~
会場関西日仏学館(京都)1F 
    京都市左京区吉田泉殿町8
そうそうない機会ですので
是非お越しお頂ければと思います。


  
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Posted by HIROSHI UETA at 18:44Comments(1)メディア/Mediaお薦めの展示会

2023年02月15日

「海の庭」出版記念原画展


海の庭」の評判が良いそうです。

オンラインで「ああでも、こうでも」とやり、資料として現地の景色を写真や動画で送って頂いたり
それらを絵にする母に伝え「ああでも、こうでも」とやりとりし
著者の大竹さんに亀岡にまで来て頂き、みんなの方向性をもう一度確認したり。
お互いの装幀に関する微調整、印刷の色合いの確認。
一冊の本を作る工程は色々ありました。それらを全てクリアしてようやく出版という形になった「海の庭」。
嬉しいなあ。

新聞にもこの様に取り上げて頂けたそうで。
Beautiful Booksというのがまた嬉しいじゃないですか。
文章、挿絵、表紙、装幀について短い中にもキチンと全部触れて頂き
作った側の気持ちが伝わってる気がします。
(日本経済新聞 2023年2月12日付)

誠にありがとうございました。

そんな「海の庭」出版にまつわるアレコレを見て頂ける機会が
著者の大竹民子さんの地、島根県松江市にて行える事になりました。

宮本信代が描いた17点の挿絵の原画を中心に
表紙、題字の原画。本の完成に至るデザイン、装幀の裏側も見て頂ける様な展示になります。

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海の庭出版記念原画展
会期:2023年3月3日(金)~5日(日)
    10:00~18:00 入場無料
会場島根県立美術館 ギャラリー3室
    島根県松江市袖師町1-5

ギャラリートーク>3月4日 14:00~15:00 参加費無料/予約不要
              会場:島根県立美術館ギャラリー3室
著者:大竹民子  水墨画挿絵:宮本信代  題字、表紙書:上田 普  装幀:泉屋宏樹
の4人による本の製作にまつわるお話をさせて頂きます。
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という事で私達も大阪、京都から駆け付けます。

私にとったら松江は初上陸。
しかしながらちょっと前から松平不昧公はずっと気になってて
ようやく会いに行ける様な気がしています。
なんと楽しみな松江。

はじめましての方が多いかと思いますが
お目に掛かれますのを楽しみにしております。
どうぞお近くの際はお立ち寄り下さい。


  
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2021年07月20日

金沢での個展とインタビュー記事


<下記の個展は金沢のまん延防止等重点措置の適用により
延期する事が決定致しました。
残念ですが美味しいモノがいっぱいの冬にお会い致しましょう。>


2013年にG-WING’S galleryさんで「書の行方」という
個展をさせて頂いた以来ですから
8年ぶりにもなるんですね。
お盆の頃に金沢ナイトミュージアムのイベントとして展示をさせて頂く事になりました。

これまでも泉鏡花記念館企画の「絵本化鳥」、
この度第54回造本装幀コンクールで受賞した「榲桲(マルメロ)に目鼻のつく話」の制作。
「鏡花フェスティバル」なんかにも関わらせて頂いた事もあり
人の温かさも感じるせいか金沢ってホームな気分なんですよね。

会場も金沢市民芸術村のアート工房とAs baku B(アズバクビー)の 蔵の2ヵ所なんです。
As baku Bさんは泉鏡花記念館のすぐ近くなんで
是非ソチラも立ち寄って頂きたいポイントのひとつ。

矢﨑さんと下見の時。

また今回は以前からそのダンスが素敵だなあと
是非一度ご一緒したいと思っていた矢﨑悠悟さんと
パフォーマンスさせて頂く機会にも恵まれました。

これまでの私のパフォーマンスとは全く違った切り口になるので
それもきっと面白いものになるんじゃないかなと思っています。

そしてアートフェア東京でお会いした旅行webマガジンのApollonさんと
360度の写真、動画撮影ができるリコーTHETAさんからもインタビューを受け
そちらでも個展の事にも触れて頂きました。

Apollonさんは旅の必需品として、私のこれまでの旅の事なんかを中心に。
リコーTHETAさんは360度カメラの私なりの使い方なんかをお話しました。

THETAで金沢城を撮るとこんな感じ。

是非こちらもご覧下さい。
旅&ライフスタイルマガジンApollon
360°カメラ リコーTHETA
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<延期になりました。>
上田普 個展 「蹟 SEKI」
会期
〇As baku B 蔵 <googleマップ>   8月14日(土)~22日(日)11:00~17:00
〇金沢市民芸術村 アート工房 <googleマップ> 8月17日(火)~19日(木)10:00~19:00

パフォーマンス「書を宿す」 <コンテンポラリーダンサー矢﨑悠悟さんと「音」「呼吸」をテーマに>
 8月17日(火)19:00~(約30分・予約不要・雨天決行)
 会場:金沢市民芸術村 水上ステージ&アート工房 
 当日ライブ配信も予定しています。コチラ

「アーティストトーク」
 8月19日(木)18:00~(約60分)
 会場:金沢市民芸術村 アート工房 
 2会場で展示された作品と17日のパフォーマンスについてお話致します。
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金沢ナイトミュージアムHP
As baku B HP
金沢市民芸術村HP

今年も暑い夏になりそうです。


  
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Posted by HIROSHI UETA at 18:53Comments(0)作品/Worksメディア/Media

2020年12月03日

書道&VRパフォーマンス


もう一ヵ月も前の話になりましたが
京都コンポーザーズジャズオーケストラさんとのコラボレーションコンサート
『音、沈黙と測りあえるほどに』沢山のご参加頂きありがとうございました。


オンラインからは会場の倍くらいの方がご覧頂いてたそうで
実感としては無いのですが、ステージの直前にオンラインでの視聴数も
聞いていましたので、励みになりました。
誠にありがとうございました。書きまくりましたw!


実はライブ配信用のカメラとは別に
ステージ上や筆にもカメラを付けての撮影もしていたのです。
それらの映像も組み込み、編集して映像作品としていつかご披露できるんじゃないかな
と思っていますので、是非お楽しみに!

また徳島ビジネスチャレンジメッセ2020というのが現在開催されており
そのオープニングセレモニーのゲストパフォーマンスとして四国大学の書道グループ”悠縁”による
VR書道パフォーマンスの企画、指導として関わってきました。

初めてVR機器に触る学生達に一からの指導でしたが
さすがミレニアム世代、直ぐにコツをつかみ使いこなしてくれました。

非常勤講師として行っている四国大学ですが
書道の他にも、音楽、デザイン、情報、食品等の学科があり
音楽は卒業生で徳島で活躍されてる福富弥生さんの生演奏に成りましたし
機材も全て大学に揃っている上、そのスペシャリストの先生もおられ
オール四国大学で取り組む事ができました。
その様子は既にアップして頂いていますので是非ご覧下さい。

リハーサル時に原因不明の機械トラブルがあり
ほとんど直前のリハーサルができなかったのですが
学生達は度胸一発で見事にパフォーマンスを披露してくれました。

この事は多くのメディアにも取り上げて頂く事ができました。https://www.asahi.com/articles/ASNCJ6V03NCJPTLC015.html
また大学HPにもhttps://www.shikoku-u.ac.jp/news/topics/20201116-2.html
四国放送では密着取材もして頂いてたのですよ。
こういう時だからこそ何かワクワクする様な
未来への希望が感じて頂ければ嬉しいですね。

徳島ビジネスチャレンジメッセ2020はオンラインで今も開催中です。
徳島の様々なジャンルの企業が新しい取り組みを紹介していますので
是非覗いてみて下さい。
徳島ビジネスチャレンジメッセ2020特設サイト:https://2020.challenge-messe.com/
  
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2020年10月22日

文化の日のJAZZオーケストラとのコラボ


関西のJazzビッグバンド京都コンポーザーズジャズオーケストラさんのコンサートに乱入させて頂きます。
今回は文化庁の支援をうけての開催との事。


<前回の様子>

メンバーのトランぺッターはユン ファソンさんとは
他でも何度かご一緒させて頂いてて、回を重ねるほどに絡む事が楽しくなってくる感じがあって
もちろん絡んでいる時は私は書いているし、ユンさんは吹いてるので会話は無いのですが
音なのか、目なのか、自分でもよく分からないのですが
何かを察知してフィーリングでやり取りする感覚が何ともスリリング。

<前回の様子>

これはきっと数を重ねる事でより分かり合える事だと思うので
2回目の今回はきっと前よりも面白い!!
前回だけでもかなり楽しかったんですけどね。

また今回はコンサートホールですので
音は間違いなくもっと良くなるし、私も音も含めて表現しようと考えています。
これまでフランスのチェロ奏者Gaspar Clausさんや、パリのダンサーBenjamin Bertrandさんと
やって来た事がきっとここでも生かす事ができると思っています。

(私の参加は前半のみですが、私達の作った空間で演奏する
 Jazzオーケストラの様子も他では絶対見られませんから、それも絶対見もの!)

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『音、沈黙と測りあえるほどに』
日時:2020年11月3日(火祝)
   開場18:00 開演19:00
会場伊丹アイフォニックホール 大ホール
  限定100席  前売4,000円 / 当日5,000
  ライブ配信チケット 3,000円
◎ご予約 お問合せ 050-5875-3685(担当 堤) KyotoComposersJO@gmail.com

出演: 京都コンポザーズジャズオーケストラ
   岡本真季 (ソプラノ歌手)
   鈴木康照 (教福寺住職) はじめ4名のお坊様
   山本翔太 (作曲)
   上田 普 (書)

ハイクオリティのライブ配信もします。
日本全国から、そして世界中からどうぞ!

チケットの購入方法
①ご来場の場合 「ご来場希望」の旨と ・お名前 ・人数
​ を記載の上 KyotoComposersJO@gmail.com コチラのメールアドレスに​お願いします。
②ライブ配信視聴の場合「配信希望」の旨とお名前を記入の上
同じく KyotoComposersJO@gmail.com にご連絡お願いします。
    ​↓
​  支払い方法のご案内がきますので
    ↓
  支払いの確認後, 配信URLが届くという流れになります。
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ジャズはその時に何が生まれるかですからね。
どうぞその瞬間を耳に目に刻み込んで頂きたいと思います。

  
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2020年08月02日

日仏アーティストによるオンライン展覧会『Nature Is Not Your Household』


人に足を運んでもらうという事が難しくなって
今後どう展示会をやっていくのか
ここ数カ月色々実験やったり、調べモノをしたりとやっていましたが
ひとつの答えはオンライン展示。

実際に見てもらう事が一番な事は良く分かっていますが
ただオンラインだからできる事もあるのではとも感じています。

東京の美術館のトークイベントなんかも見てましたし
いま開催中のヨコハマトリエンナーレもオンラインで
オープニングレセプションをやってくれていましたので
最先端のアートディレクターの考えてる事が垣間見れました。
普段なら行けないので、オンラインである事の良かった事のひとつ。

ともかく色んな所で模索が続いています。

という事で今
アンスティチュ・フランセ東京 の協力で『Nature Is Not Your Household』という日仏アーティストによる
オンライン展覧会にグラフィックデザイナーのグレゴリー・アンボスさんと
コラボレーションさせてもらい参加させてもらっています。
「変態」「変態」と言っても昆虫がサナギから成虫になる方の「変態」ね。

哲学者エマヌエーレ・コッチャの著作『植物の生の哲学』と
『Métamorphoses(変態という意味)』からの抜粋テキストに対して、13人の日本とフランスのデザイナー
イラストレーターたちが自由に応答し、ポスターを製作したオンラインの展示会です。

ポスターは販売され、収益は森林保全団体more treeに寄付されるとの事。

東京の友人が言っていましたが
こういう状況になって改めて都会ってモロイなあと。
それに対して田舎は外で仕事ができたり、散策できたりと
最低限気を付ける事はあるにしても、ほとんど変わりない生活があり、たくましい。

スーパーにしか出掛けられない時も、道中の草花が変わらずある事に
どんなに楽しませてもらった事か。
ともかく自然に対してこれまで以上に考える機会にもなったので
森林保全団体に少しでも関われるのは非常に嬉しい事です。

これまで海外のアーティストとのコラボは何度かやってきましたが
こうやってストレートにグラフィックの方とご一緒させてもらったのは初めてじゃないかな・・。
料理される側なのですが、これまでと味付けの仕方が違うので私としても単純に楽しい。

13のアーティストのそれぞれの表現がありますのでどうぞ楽しんで下さい。
https://natureisnotyourhousehold.org/jp/


  
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2020年04月24日

「榲桲に目鼻のつく話」が金メダル!


ぶん 泉鏡花× ゑ 中川学 「榲桲に目鼻のつく話」


カバーを外すと。

絵本「榲桲(まるめろ)に目鼻のつく話」がオランダ・アムステルダム主催の
国際デザインコンペIndigo Design Award 2020 Book Design部門でGOLDを受賞しました。

ブックデザインはiD.の泉屋宏樹さん。
泉鏡花 絵本化シリーズのイラストレーター:中川学さん×デザイン:泉屋宏樹さんのタッグの
三作目になるのかな。
始めは「龍潭譚」。二作目「化鳥」。そしてこの 「榲桲に目鼻のつく話」。

それぞれ色んな所で活躍してる本で「龍潭譚」「化鳥」はアジアデザイン賞を受賞しましたし
「化鳥」の英語版は昨年イタリアで受賞しました。

このシリーズの素晴らしいのは先ず中川学さんが泉鏡花作品を大好きな所。
そして泉鏡花記念館がその中川学さんの絵を評価し、鏡花作品を表現するのに相応しいと企画にも参加している事。
そしてこの間を取り持ったのが泉屋さんの行動力だったという事。

初めからこの馴れ初めを知ってる者にとっては奇跡の連続でコレがあると思うと
何だか感慨深いモノがあります。

中川さんは自身の個展用にこれまで好きだった泉鏡花の作品を絵本化しようと
「龍潭譚」を描き上げ、自分で手作りで本にしていました。
これを自費出版で絵本化しようと、泉屋さんに相談。泉鏡花の何たるかを知らなかった彼は
早速、金澤の泉鏡花記念館に足を運んでみます。ソコで中川さんの絵をみた記念館の学芸員さんは
ウチで展示してみませんか?とのお話。・・・とまあざっと言うとこんな嘘みたいな話で今があります。

ともかく豪華版な「絵本 龍潭譚」が完成し、大阪で展示会を開き、トークイベントに来ていた方が
コレの絵を動かしてみたいと挙手。是非!って事で映像制作の青木香さんが参加。
この 「榲桲に目鼻のつく話」もアニメーション化されています。

人のご縁ってホントに面白い。

泉屋さんの面白い所は何にでも興味を持つ所と、動く事。
印刷屋さんの印刷機械の所までも足を運びます。紙を触りサワリしながら確かめます。
くどい位の確認の連絡が来ます(笑)。とにかく丁寧なんですよね。
そして知らない事は調べもしますし、武器にもします。
何でもそうですが、知り過ぎるとどうしてもマニアックになります。マニアックになると一般向きで無くなる。
より多くの人に伝えないといけないデザインの仕事では消費者の目線を忘れてはいけませんよね。
とにかくソコの差し引きが上手いんだと思っています。

でも本質はマニアック側の人なので絵本の中に隠しアイテム作ったり
特装版用にこういうのを作ったり

なんなら手作業でも構わないと、よく手作りをしてしまったりします。
手間を惜しまない人。

本当はもっと多くの人が関わってるのですが
ともかくそんな人々が集まり 「榲桲に目鼻のつく話」が受賞しました!
おめでとう!!

私もここに関わらせてもらっています。


榲桲に目鼻のつく話 特装版
   普及版は全国各書店にて発売中
・絵本「化鳥」(日本語版) https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336055446/
・絵本「化鳥」(英語版) https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336062086/
・龍潭譚 販売終了しましたが 特設サイト

泉屋宏樹さんのブログでhttp://blog.id-izumiya.jp/archives/2019/03/19-160147.php
デザインのこだわりも見て頂けます。
宜しければお手元にいかがでしょう。

  
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2019年07月31日

Jazzビッグバンドとのコラボレーション

JazzビックバンドKyoto Composers Jazz Orchestraさんとの
コラボレーション公演『音、沈黙と測りあえるほどに』が7月5日にありました。

トランペットのユンさんの攻撃的なソロには
静で対抗。
墨がジワ~と浸み込んでいく冷たさ、感触。

会場は京都芸術センター。元明倫小学校の講堂という素敵な空間。
(芸術センター内には商品ロゴを書かせて頂いてる前田珈琲さんもありますよ。)


養生した上に約7m×6mの紙面を用意。
照明がセッティングされ、影の様子をチェック。

パリでチェロミュージシャンのGaspar Clausさんと一緒に演った頃から
セッションという形で演奏者との駆け引きする事が楽しくなっています。

谷口さんとの演奏はバックの音が無く、静寂の中
トロンボーンと筆の走る音、墨の滴る音のみで駆け引き

これまで
書をする自分と、ミュージシャンとしての自分を一緒にする事は出来ないのか・・。
と考えていましたが、ここに来てようやく繋がってきた様に思います。

ひとつは墨を磨る音、落ちる音、筆の走る音も音楽としてなり得ると感じた事。

またセッションする駆け引きは、ブルースを演奏する上で散々これまでやってきました。
相手が出てくれば、引く。 または一緒に絡んでいく。 自分が前に出る、相手が引く。
音を聞きながら、アイコンタクトを送り合ったり、身振りで指図なんかも使いながら
時にしつこく。 時に間を置き。 リズムに添い、または裏をとり。

こういう音楽の醍醐味を知ってる事が、共演するミュージシャンとの駆け引きを楽しくしてくれます。

この曲にはお坊さんの読経が絡み、またソプラノの声もはいります。
作曲の山本翔太さんはこの機にお経も沢山勉強されたとか。
またソプラノの声も歌というよりは楽器的要素として使われていますが
やはり声って強いですね。非常にドラマチックに感じられます。

抽象的な曲ですが全くのセッションという訳ではなく、曲としての筋は決まっていますので
私も大体の曲の流れを頭に入れました。しかしイメージを何となく想像しただけで
私のやる所は全くのぶっつけ本番。
またサックス、トロンボーン、トランペットのソロは互いにアドリブです。

音を記録し、また一緒に奏で、墨の薫り、またその冷たさも見て感じて欲しい。
そんな風に思っていました。
本当にスリリングで、繊細で、大胆で。
夢中でしたが何とも言えない気持ち良さと
あとに引く余韻で次の日までビリビリしていました。

全ては伝わらないのですが
youtubeに上げて頂いていますので
良かったらどうぞその一端をご覧になってみて下さい。
微かな音と大きな音が混在していますので気を付けて頂きたいのですが
できたらボリュームを大きくして、墨の落ちる音や筆の走る音も
聞いて頂けたら嬉しいです。

またこの公演を音楽ライター/ジャズ評論家である方が記事を書いて下さって
yahooニュースに掲載して頂いています。
コチラも是非読んで頂ければと思います。

次は京都で開催されるアンスティチュ・フランセ主催の「ニュイブンシュ」(10/5)に
パリのダンサーとコラボレーションパフォーマンスをする予定です。
より進化させるつもりでいますのでどうぞお楽しみに!


京都コンポーザーズジャズオーケストラ directed by 谷口知巳
作編曲:山本翔太
ソプラノ:岡本真季
読経 :鈴木康照 清水考彦 山口顕慎 夏井皓栄
 書 :上田普
総合演出 谷口知巳

  
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2019年03月08日

パリでの出来事一気にまとめて。

1月にフランスに行ってきたのですが、2月にも再び行ってきました。
色々やってきて詳しくご紹介したいのですが
しばらくそのツケが溜まっていますので
ざっとこんな事をやってきました。そして今もやっていますという事をご紹介致します。。

まずグルノーブルのエベール美術館(musee hebert)での展示(3月末まで開催中、ワークショップそして突然の公開制作。



そして京都×パリのTAKUMIプロジェクトの展示をメゾンエオブジェで行ってきました。


その後アトリエブランマントというギャラリーで展示。

以前MTRL KYOTOさんでご一緒したマスキングカラーさんと
メゾンエオブジェで再会をしまして、マスキングカラーさんのご協力のもと
アトリエブランマントのガラス面にパフォーマンスを行いました。


両会場でご縁を頂き2月に再びパリへ。
照明器具ブランドのCeline Wright(セリーヌライト)の20周年パーティーでパフォーマンス。
またVIP用に特別コラボも行いました。





マレ地区にあるギャラリー330 sasaréでは
チェロミュージシャンのガスパールとギャラリーオーナーAIさんとパフォーマンス。
この展示FLEURS DE PEAUは3月19日まで開催中。



またサンルイ島内のギャラリーL'embrasserでは書道ワークショップと
ピアノの松井花枝さんとのコラボレーションを行ってきました。
これの写真が全然なくって。また写真を送って頂いたら追ってご紹介致します。

とまあ駆け足ですが簡単にご紹介。
素敵な方々とご一緒してきましたのでそういうお話もしたいですし
もっと詳しくご紹介したいのでそれはまた改めてさせて頂きます。

そして次はパリ×京都の展示が次は東京・高島屋日本橋店で開催されます。
3月20日(水)-26日(火)
コラボ作品以外にも私個人の作品も数点展示して頂ける予定です。
どうぞお楽しみに。
  
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2018年11月22日

ラジオ出演予定「Artisan’s Talk」α-STATION


京都×パリ「京ものアート市場開拓支援事業」について
ラジオ出演させて頂く事になりました。
FM KYOTOのα-STATION毎週金曜の朝6:00~7:00の
Artisan’s Talk」という株式会社和えるの矢島里佳さんの番組です。

私のこれまでの“そもそも”なお話から、現在製作を進めているパリの作家ジュリーとの事。
また音楽の事も少し・・・他にも色々。 

放送は
第1回目:11月23日(金)AM6:00~6:55
第2回目:11月30日(金)AM6:00~6:55

これを話さなきゃってメモを色々して臨んだのに
その時の話の流れでドンドン脇道に進んでしまう悪い癖・・・。 
言わないといけなかった事がどれだけ話せてるのか
少々不安ですが今更言っても仕方ない。

私達がパリに居てる時に矢島さんも実はいらしてて
どうも同じ空間に居てたというお話に驚きつつスタートします。

京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県にて聴くことができ
パソコンはα-STATION の WEB サイトの TOP ページからラジコのロゴの「LISTEN NOW!」から聞く事もできます。
どうぞお楽しみに!


  
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Posted by HIROSHI UETA at 00:13Comments(1)メディア/Media

2018年10月19日

パリのアーティストがやってきた♪「京都×パリ」コラボレーション

改めまして現在 京都市とパリ市の共同事業
京都×パリ「京ものアート市場開拓支援事業」
というモノに参加しています。

6月には私達がパリに行ったのですが
今回は京都にパリのアーティストの方々がいらしゃいました。
企画の内容は京都市のHPコチラでも紹介されています。
また参加アーティストもコチラで紹介されていますよ。



京都市庁舎でご挨拶


合同説明会@芸術センター

合同のギャラリー見学会やイベント見学、説明会なんかもあるのですが
自由行動の時間もあるので私はパートナーのジュリーと
日本の紙を中心に見て周りました。


先ずはちょうど大阪で催されていたTAKEO PAPER SHOWへ。
TAKEOの紙はパリでも目にしてて、パリの紙屋さんでも評価が高いので
ジュリーは大喜び。


また和本の製作、修復等も手掛けてられる経師大入さん。
ジュリーの製作してる本の写真をご覧頂いた所
それだけで彼女のスキルと独創性を評価して頂き
より深く職人として、プロフェッショナルとして、文化としてのお話をうかがい
工房を拝見させて頂きました。
またこのあと大入さんもパリに行かれるとの事で
パリのジュリーの工房にも行く約束をされてしていました。


私も掛軸の製作でお世話になっている表具師の古澤さんには
屏風に使われる紙蝶番の作り方、また技術を教えて頂きました。
これがまた私達の作品に反映されます。


今回2人で作っているのは
名前は今後変わるかも知れませんが
「KONSEKI-book」と「ISHI-book」のふたつ。
その内のひとつに使おうとしてる漆紙を買いに木曽アルテックさんのショールーム銀意匠へ。



帰りは白沙村荘橋本関雪記念館へ。
コチラは日本画家の橋本関雪が自ら製作したアトリエ、庭園がご覧頂けます。
いわゆるお寺の庭園とは一味違う美意識に触れ大満足。


紙でもう1つ代表的な唐紙の唐長さんにも。
奥様が詳細に歴史、唐長で起こったお話も交え
文様のお話を聞かせて頂きました。

そして現代の和紙表現者の代表格のおひとり
堀木エリ子さんのショールームも。
コチラも本当に素晴らしいお仕事を沢山されてて、なんど鳥肌が立った事か。
和紙の可能性を大きく拡げられてお仕事をされてる事に
改めて感銘を受けました。

みんなでお弁当買って外で昼食。

これらひとつ一つが私達のコラボレーションに必要な
技術と素材、また構想になっていきます。
ご協力頂きました皆様改めてありがとうございました。

そして最終日ヴィラ九条山で皆さんの前でプレゼンテーション。
それぞれが今の構想と、製作状況、今後の取り組みを発表していきます。
さて私達のは・・・・。
ほんの少し。
外見だけですが

こんなモノを作っております。

次ジュリー達に会うのは来年1月にパリ郊外で開催されるメゾン・エ・オブジェ
それまでに良いモノを仕上げようと
早速パリと京都でメールのやり取りが始まっています。
どうぞ完成をお楽しみに。





  
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Posted by HIROSHI UETA at 15:30Comments(0)道程メディア/Media

2018年09月25日

イベント情報付。「京都×パリ」コラボレーション企画進行中

パリの装丁アーティストジュリーとのコラボ企画も着々と進行しています。
メール、メッセンジャー、事務局も同席しsypeなんかでも話しあい。
互いにどんな風に進行してるのか確認しながら進めています。

製作しているのは2点。
今は一応”ISHI-book”と”KONSEKI-book”と呼んでいますが
どちらも面白い方向で進んでいて完成するのが本当に楽しみ。

ISHI-book はジュリーのアイデアでなんと動く本に!!
でもイメージとしては床の間に飾って、掛軸と花に代わる様な本に。

KONSEKI-bookはオブジェ的でもありながら
読みモノでは無いですが、ページをめくりながらその
動きを楽しんで頂ける様な本に進んでいます。

イメージを共有する為に送り合った資料

道具

床の間イメージ

お坊さんの修行“行”の説明の為に。

重箱の使い方イメージ

掛軸の八双部分

箱の中の仕様イメージ

漆紙

離れた場所で、それぞれ違う価値観でひとつのモノを作るとなると
どうしても説明が多く成りますね。
でもこの一個一個をクリアにしていかないと大きな誤差になる事も今回の事で学びました。
よく言ってしまう「まあだいたいこんな感じで」という曖昧な感じでは伝わらないですね。

いよいよ来月にパリのアーティストが京都にやって来ます。
アチコチ一緒に見て周ったり、製作も進めるのですが
ひとつ大入さんという経師さんの所に伺わせて頂くのですが
なんと私が番組タイトルを書かせて頂いた「京職人手帖」に出演されていました。

素晴らしいお仕事でしょ。嬉しい偶然です。
拝見させて頂くのが楽しみ。

この時期ちょうど京都×パリのイベントも幾つか開催されます。
・夜にギャラリーを見て周る芸術祭 ニュイ・ブランシュKYOTO 2018 
・パリ市京都市友情盟約締結60周年事業「響き合う創造Création sous influence
どうぞ芸術の秋。パリの雰囲気を楽しんでみて下さい。

そして私達のコラボレーションもどうぞ楽しみに!

  
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2018年07月08日

「京都×パリ」パリに行って来ました。


空港からバスに乗り、始めの到着地オペラ(ガルニエ宮)

前回書きました。
京都とパリのアーティスト、職人をコラボさせる事業の
第一弾として京都から選出された10人(組)が
パリに集合しました。

私にとっては初パリで色んな人からスリだとか、街が汚いだとか聞いていましたが
私にとっては人も良く、さすが世界の観光地、外国人慣れしてるな~って感じ。

この事業では基本的には個々で動きますので
自分でホテル、飛行機を手配して現地集合が原則。
先ずは「お疲れ様~。お久しぶりです~。こんにちわ~」って感じでパリ市庁舎に集合し
担当の方が市庁舎を案内下さいました。

パリ市庁舎内


議会内

私は議長席を頂きました。



私達が行った前日はコシノジュンコさんのショ-が行われてたとの事。
もうすっかりそんな雰囲気はありませんでしたが十分にゴージャスな市庁舎でした。

その後街を案内して頂きながら徒歩で移動。


バスティール広場


アトリエ・ド・パリ(Ateliers de paris)

オープニングパーティーの為、今回の本拠地アトリエ・ド・パリ(Ateliers de paris)へ。
初めはオブジェかと思ってよく見ると全て食材。
パーティーの食事でした。
アクリルパネルで区切られフランス料理と日本料理が対比されています。
素材がドーン!って感じですがしっかり味付けされてて美味しかった。





京都の皆さんパリにお越し頂きありがとうござました~という感じ。

食事も楽しみながらパリ側のアーティストと挨拶。
初めましてぐらいのつもりが、既に自分の作っているモノに対して
熱い話し合いが始まりだし止まりませんでした。
そんな中、京都市長も登場。

現地2日目、早速本題が始まります。
朝9時から今回の企画をもう一度全員でおさらいし

自己紹介を兼ねて少し自分の仕事を紹介。


Michel Pochonさん 
馬具の製造技術を使いもう既に様々な有名ブランドの仕事を手掛けてる。

Florenceさん 繊細なコンテンポラリージュエリーを作られてました。

その後はパリのアーティスト側の本格的なプレゼン。
10のテーブルにそれぞれ自分の作ったモノを置き
コチラも一人づつ各テーブルに付き、時間が来たら次のテーブルと
いった感じでそれぞれの説明を聞いて周ります。

Anaisさんは藍染め作家であり、ファッションデザインもされてる。


Julieさんは製本作家と紹介されていましたが、本当はもっと奥深い仕事をされてます。
また後日キチンと御紹介します。

Valerieさんは日本ではあまり見掛けない、麦わらの寄せ木細工の作家さんで物凄い良い人。


Isabelleさんは陶磁器になるのかな。非常に繊細でデザイン性豊かな作風。


この時に注意して見ていたのは、作品の面白さは当然ですがそのクオリティーも。
作品の裏側も見ながら何処まで目の届くアーティストなのかを見させてもらっていました。
一緒に仕事する訳ですし、やはりどこまで信用できるのかというのは
きっと作品にも表れてると思うので。

またどういうプロセスでこのモノはできているのかも重要。
製作プロセスを聞くと自分がどこで入れば一緒にできるのか何となくイメージできますしね。

しかし1テーブル確か10分位だったと思うのですが
短時間でそういうのを見て、聞いてするのはホント疲れました。
本当はそれぞれの工房をまわる事ができれば一番良いのでしょうが
遠方の方もいらっしゃるとの事なので物理的に無理ですね。


昼休憩はいつもこんな感じで用意して下さいました。

さて、次は交代し、京都側のプレゼン。

井上雅博さんは京表具の三代目。でもアートワークも製作されています。

黒川徹さんは数多くの海外で活躍されてる陶芸家さん。
作品もですが、私的には彼のキャラが最高。

西村武志さんは友禅彫刻の職人さん。
パリには何度もお越しの様で、既に様々なコラボを展開中。

畳職人の横山充さんと、デザイナーのフローレンさん
なんと伊勢神宮や大徳寺の仕事もされてるとの事。

私は実際に書きながらお話し。


10人全員に説明していくのはなかなか大変です。
また互いに母国語じゃない英語でのやり取り。
スゴイ集中力と体力を使い、終わる頃には抜け殻になっていました。

このやり取りの中で自分のパートナー候補を絞り
第四候補までリストアップし提出。
あとは主催者側でスリ合わせをし、次の日の緊張の発表となったのですが
それはまた次回に。

  
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2018年06月07日

「京都×パリ」京ものアート市場開拓支援事業

京都市とパリ市の事業で
それぞれの市から10名(組)のアーティスト、職人を選出し
交流させる事で新たな創造を生みだし
発展させようという取り組みに
応募し(一次試験)・・・面接し(二次試験)・・・そして通りました!

(イメージね。まだ行った事ありませんから。)

これから一年ほどお互いの国を行き来しつつ
刺激を頂きながら、違った目線を取り入れ
何か新しいモノを作っていけたらと思っています。

京都からは表具師、織物、陶芸、漆芸、ガラス、畳など。
パリからは藍染、陶器、漆芸、ジュエリー、箔、製本、革、麦わら寄木という
ジャンルが出揃いました。

ジャンルだけで見ると
お互いそんなに変わらない?という印象なのですが
それは実際に見てみないと何も分りませんよね。

ともかく早速今月はコチラから向こうへ行き。
秋には向こうからコチラへやってきます。
そして来年早々に「メゾン・エ・オブジェ」に出展し
日本では高島屋さんが協力してくれるとの事。

舞台はしっかり用意されていますので
しっかりアピールできるモノを用意しないといけませんね。

ここ最近アートインレジデンスのヴィラ九条山
に滞在してるフランス人のアーティストが日本の紙や墨に
疑問があればウチに来るようになり
少しづつフランスづいてたのですが
まさかこんなに早く自分が行く事に成るとは・・という心持ちですが
しっかり色んなモノを吸収して来ようと思います。








  
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Posted by HIROSHI UETA at 20:00Comments(0)メディア/Media

2017年12月27日

映像製作 @時代祭館十二十二(トニトニ)

平安神宮のスグ隣に時代祭館十二十二(トニトニ)という商業施設が完成しました。
「365日、時代祭はここにある」そういう建物です。


それを可能にした映像があるのですが
その映像制作に関わらせて頂きました。

上部に長ーいスクリーン

アニメーションの行列が歩いています。

40mもある長いスクリーンと大きな3面のサイネージで
時代祭の行列、そして各行列の紹介をおこなっています。


この製作には実際に私の所で
書いている所を撮影し、文字が書かれていく所が表現されています。
この生れていく様な感じが生々しくて面白いんですよね。

筆と手もうつっています。


私の文字が登場し、その後実際に使われている装束や
行列の成り立ちなどが紹介されている映像になっています。
30~40パターン位ありますから見て楽しい映像になっていると思いますよ。



維新

白川女

升田学さんのワイヤーアートも数カ所に。

提灯の中、下にも行列が


平安神宮周辺の岡崎と呼ばれる辺りは
あまり飲食やお土産を買う所が無かったので
ちょっとの休憩、買い物をするにはもってこいの施設ができましたね。


また今後 秋元康 氏のプロデュースによる劇場も2階にできるとの事。(!?)
京都にアイドルの聖地ができるのか?
詳細は知りませんが、とにかく今まで京都に無かったモノになりそうな予感・・・。

色んなメディアでも宣伝して下さっています。
TRAVEL.JPhttps://www.travel.co.jp/guide/article/3633/
読売http://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/news/20171219-OYTNT50278.html

どうぞ京都岡崎の美術館や平安神宮参拝の折には
近くの時代祭館十二十二(トニトニ)に足を延ばして見て下さい。
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映像製作PixelEngine LLC.三谷正
アートディレクター:山崎なし
アートディレクター&ワイヤーワーク升田学
上田普


  
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Posted by HIROSHI UETA at 20:12Comments(0)作品/Worksメディア/Media

2017年12月12日

世界に向けて英語版「絵本化鳥」の発売と泉鏡花フェス2017


2012年に発売された絵本化鳥が今年英語版も完成しました。


装丁の美しさとイメージはそのままに上手くまとめたな~と
デザインの泉屋氏の仕事には感服。
日本の本には必ず付いてる帯が無くなったのもより洗練されて見えます。

日本語版では右にページをめくる装丁だったのが
英語では逆になったのが大きな違い。

英語版を製作にするのに色々大変だったと思うのですが
何より鏡花の独特の文体を理解した上で英語に訳せる方が見つかった事が
大きな事だったと思います。

その英訳をされたのがピーター・バナードさん
yahooニュースでも紹介されました。コチラ
そんないかに英語版化鳥が製作されたのか
11月に開催された泉鏡花フェスティバルで紹介されました。

トークの様子
私の前列の方は日本語版、英語版の両方手に持ち熱心に聞かれていました。

泉鏡花フェスティバル会場の金沢市民芸術村


トーク後は中川さんサイン会になりました。


絵本化鳥ワークショップ。
装丁デザインの泉屋さんMUSIC ZOOの安藤さんがステンシルを使ったワークショップを開催。

こんな素敵グッズが作れます。




化鳥グッズが入ったガチャガチャ!!

マスキングテープ

缶バッチ

2日間で9回も行ったワークショップが全て満席という盛況ぶり。

ちょっと時間があったので
金沢で135年の歴史を持つといううつのみや書店
その中の文豪カフェ あんず

そう! このロゴは我らが泉屋氏が製作。


ちゃんと英語版絵本化鳥がソコに

さすが歴史のある書店
100年前の創業30周年の時に贈られたという様々な著名人の書状

与謝野晶子

夏目漱石

日下部鳴鶴


さすが本拠地金沢です。
泉鏡花に関してものすごくウェルカムな感じがしました。
というか
そういうお仕事をさせて頂いたという事ですよね。ありがたい。

これから海外に向けて英語版 絵本化鳥いや"A Bird of a Different Feather"は旅立っていきます。
今後の展開が非常に楽しみですね。
ぜひ海外の書店で出会いたい!

もちろん日本でも購入は可能です。
絵本の中の本文、解説は英語になっていますが
鏡花の原文は日本語で入っていますので同時に楽しんで頂けると思います。

国書刊行会 http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336062086/
どうぞ宜しくお願い致します。

鏡花に似てると言われます。
なんなら寄せていこうかな・・。








  
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2017年05月13日

地下水は何処にある?書籍ビジュアルの製作「自然地下水調査法」

初めて本のビジュアルの仕事をしました。
しかも学術書。

自然地下水調査法 竹内篤雄著 コチラでも販売しています。
著者の竹内先生は地温調査研究会を創設された方で
一度ココでも紹介させて頂きましたので詳しくはコチラで。

数々の御本は出版されてこられたのですが
今回はその今までの調査研究を総括した書籍という事で
お声掛け頂き「水ミチ」と書いて欲しいというお話だったのですが
「水ミチ」と書くのでしたら・・水で書く・・? と思い立ち
ソレがをそのままビジュアルに採用して頂きました。


本を開くとこんな感じ。「水ミチ」


水を吸い込まない鳥の子紙に水で文字を書き
そのままだと表面張力が足りないので、水の線の上に水を足していくと
線の部分がプックリとした水溜りの様に成ります。

何が難しいって撮影です。
白い紙の上に透明な液体ですから・・・。
光の調節を色々やっていると、どうも横から光が入ると立体感のある水の線が出るので
これは早朝に製作撮影していました。
というのも私の製作部屋は東窓。
日が昇り始めてスグが一番真横からの光ですから
そこに合わせられる様に書き上げました(笑)。

そんな風に撮影したのがコレ。


地下水って地面を掘っていくと、粘土層があってソコにあると単純に考えていません?
実は層の様にあるのではなくて地下水の道があるそうなのです。
ソレを「水ミチ」と言ってる訳です。

この「自然地下水調査法」では現地で実施する際の手順、解析、解釈の方法に付いての記述
「日本各地の地下水温」863箇所における4726本の地下水温についてまとめたデータ。
「温度測定による流動地下水調査法」(1996年 古今書院)を基にして、その後の研究成果を踏まえて
多点温度検層および単孔式加熱型流向流速計の部分を全面的に改訂した書籍
(本書はじめに より)ということです。                          

学術書ですので決して一般向けの書籍ではありませんが
きっと専門の方の有益な研究成果、データとして役立てられ、それらが私達の生活に
密接に関わられるものとなってくれれば嬉しいですね。




  
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2017年04月18日

VRで書道パフォーマンス。

東アジア文化都市2017京都でのトーチカさん製作の映像作品でも
そうでしたがVR(バーチャルリアリティー)を使ったライブパフォーマンスを披露するイベントがありました。

詳しくはご紹介できないのですが
巨大なモニターを使いショーにするモノだったのですが
今まではVRの紹介やゴーグルをはめて見てもらう事が前提だったのを
モニターの映像のみで楽しんで頂くというモノ。

確かにお客さんにとってはその方が気楽ですし
より多く方を対象に楽しんで頂く事ができます。

この企画がスタートし色んな方法を思い描き、話し合いました。
今回のショーでは実現できなかったモノもあったのですが
その内の一つが「東アジア文化都市2017京都」の映像作品のメイキングで
使われている私が映像の中に実際に登場している表現。
映像で合成する訳ではなく、ライブでもこの表現はできるのです。
書いた文字を突き抜けるなんてVRならでは。

東アジア文化都市2017京都プロモーション映像メイキング



他にもライブだからできるパフォーマンス企画はあったのですが
それはまた機会がありましたらご紹介させて頂きます。
撮影:株式会社 Skeleton Crew Studio

衣装:TIRINITAS

とにかく単に私が見ているバーチャル世界をモニターで見て頂くというよりは
その世界を疑似体験できる様に構成し、映像作品としても面白く表現する様にしました。

きっとこれからもっと面白い表現が可能に成っていく世界で
想像している表現も実現できるときっとスゴク楽しめるモノだと思いますので
今後の機会も非常に楽しみです。

企画&協力:株式会社 Skeleton Crew Studio
  
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2017年03月15日

VR書道(!)で映像作品に参加 東アジア文化都市2017京都

東アジア文化都市2017京都というのが今開催されていまして。詳しくはHPを。

簡単に言うと日中韓の文化交流なのですが
今年は京都市、長沙市、大邱広域市の三都市にて開催。

そのプロモーション映像の制作に関わらせて頂きました。

製作の中心はトーチカさん。
色んな方面で活躍されていますので
PIKAPIKA等の代表作を見れば分かる方も多いと思うのですが
私もNHKのクリエーター番組で何度か作品は拝見した事がありました。

他に
NAZE (現代美術)
Shing02 (作詞・MC)
山路敦司 (作曲)
CEKAI (グラフィック) 敬称略 

など京都を拠点に世界で活躍する若手アーティストさん達とご一緒させて頂き
カッコいい映像作品が完成しました。

製作東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
ディレクター:トーチカ

この映像の詳細はHAPSのHP http://haps-kyoto.com/timetravelguide/へ。

制作チームからのメッセージ
「歌詞にある"time travel"という言葉は,この作品の映像や音楽におけるtraditional(伝統)
ancient と modern(古代と現代)の行き来を示しています。
それは京都というまちの特性であると同時に,過去から未来を眺める
あるいは未来から過去を眺めることによって,人間の知恵や歴史,ヴィジョンを捉え
そのことによって過去を乗り越えた先にある未来としての平和を象徴しています。」

ここ最近VRを使った書の表現に関わらせて頂く事が多く成ってきましたが
今まではヘッドセットを付けた人だけが分かる世界でした。
それをまた編集し、映像と一緒にする事で
新たな表現ができています。


「音」が横を向くと「♪」に成るなんかはVRならではの表現ですし


この「香」なんかも立体的。

龍なんかスゴクカッコいい表現ですよね。

今後メイキングの制作も進んでいるらしいので
ソレも是非お楽しみに。きっと楽しめると思いますよ。

  
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2016年10月11日

ウェールズで石と書のコラボレーション

ウェールズ・フィッシュガードのブルーストーンの造形作家(Bluestone Sculpture)のダレン(Darren Yeadon) さんとコラボレーションもしてきました。

ダレンさんは以前はイタリアでも活動されていましたが
現在はウェールズでコミッションワークやオリジナルアートワークの製作をされています。
ダレンさんの作品

彼の扱うブルーストーンは硬くて有名な石だそうで
ストーンヘンジの使ってた石もそれだとの事。
ストーンヘンジの石は数千年後の今も残っていますので
きっと私達のもその気に成れば千年以上残りますw。

コラボレーションの話を聞いた時は石作品の制作には時間が掛るでしょうし
メールでやり取りし、データを送りながら進めるのかと思っていましたが
現地で石を見ながら制作していく事に成りました。

共同製作初日の朝、ダレンさんから「さあ、この石で何をする?」って
シャメが送らせて来ました。
私は全く想像もできなくて「we will see」とだけ返信して工房に向かったのでした。


実際に石を見てると、京都の庭師さんの仕事を思い出しました。
なので私なりにこの石の上下と正面を決め提案すると
「それは良いアイデアだ」と快諾!
その入りが良かったのか、その後は私の考えと方向性を快く受け入れてくれました。

とは言っても、もちろん私も彼のスタイルや作業の仕方、アイデアも尊重しながら
意見を聞き、伝わらないければサンプルも見せてくれながら進めていきました。

上下を決め、底と成る部分を平らに。
(私は埋めるのだと思ってましたが、切りました)
底辺を作る。

立てた様子。もうカッコいい!

約350kgの石を手作業で動かすスゴイ男!

ダレンさんの話だとこのブルーストーンは磨けば中から黒い層が出てきて
磨けばその黒い中から白い星が出て来るんだという事。
「石の中に星の輝く宇宙がある」そんな風にイメージし
和歌にもよく詠まれる「月」と書く事にしました。

そんな事を話していると彼は「じゃあ私は光や太陽の様なエネルギーを表現しよう」と言う事に成り
互いに担当面を決め、それぞれに表現する事に成りました。

まさしく、地球の半分が昼の時はその反対側が夜に成っている訳だし、陰と陽。
私達農耕民族は月を基準に農作物を作る訳で、ピッタリな表現だと感じました。

あともう一提案。
「何も手を加えない所も作ろう!」
私達の文化は如何に自然を表現するかだから、私達が立ち入れない部分も必要だと思う。
という事でお互いの面と、手を入れない所を決めました。
墨を磨って

「月」と書く

アウトラインを削る。


決して石の埃を吸ってはダメという事で。ナウシカみたいなマスク。

コチラはダレンさん側。
放射線状に線を引き
切り。

溝を作っていく。

表面の層を削りとる。

両サイドから。

黒い層が出てきた。

荒手から徐々に細かく12段階ほどの工程で磨き、光ってきたら

中から天の川みたいな星が出てきた。

ダレンさんのも切り終わるとギザギザの模様が生まれ。

磨きおわり。この黒い色は2週間程するともっと黒さが増すんだそう。

「月」に見える?


下の方に互いのタイトルとサインを私は日本語、ダレンさんはウェールズ語で。
私は「月影」と名付け

、彼は「太陽」

ここまでの工程がたったの3日間。思ってたよりメッチャ速い!
その3日で、概ね作品は形にする事ができました。
滞ること無く、順調に作業が運んだ事もありますが、私がウェールズに居てる間に何とか形にしようと
私を送ってからもダレンさんが1人でコツコツ作業を進めておいてくれたからです。感謝。

完成した全体像は見られませんでしたが
なかなか素敵なモノができたと確信しています。
すごく気に入ってしまいました。
その後も、このままだと低い作品に成るので
この辺りのブルーストーンを土台にし

こんな感じで積み上げるんだそうです。

完成すればフィッシュガードのローワータウンと呼ばれる港に設置される予定。
こんな感じの可愛らしい港。周りにはB&Bやカフェも点在していました。

設置されたらこの港のB&Bに泊まって絶対見に行きたいですし
作品を挟んで2人で写真撮りたい。
また絶対帰って来るからね。と固く約束したのでした。

昼に一緒に食べたベーコンエッグサンド美味かった~!




  
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