Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2007年06月13日

古人の創造



仮名書で手本にされてます「升色紙(マスシキシ」より

私が震えた箇所を抜粋しました。
ここは
        「たのめしことぞ  
            いのちなりける」
と書かれているのですが

真ん中から下の部分は二行を一行の様に重なって書かれています。
重なって書かれている事にも驚きましたが
この「線のカラミ具合が絶妙だ!」と思い震えたのです。

仮名文字が生まれて間もない平安時代に
この様に粋な書きぶりが存在していた事に感動しました。

これにインスピレーションをもらって制作したのが下↓


作品「そうぞう


「そう」と「ぞう(濁点略)」の線をカラメて無限の様や想い描かれる時の
モヤ~とした感じを表現しました。

見えてる物を記号化(象形文字)し、活字化し、文体にし
文字を崩し、装飾的にし、出来上がった漢字から又、仮名文字を作り
日本風にアレンジする。

なんて昔の人はクリエイティブなんだと感心する。
今の私たちは、先人が作った小道具をいじっているだけなんじゃないかと
フと思うことがある。

先人から学ぶことは山ほどあり
そのバトンを持って前に走る事が
私たちの課題。









  
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Posted by HIROSHI UETA at 03:00Comments(0)作品/Works