Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2007年09月30日

イキを合わせる


(仔牛が寒くない様に布をくくり付けてる チベットにて)

「新宮順子による宮城道雄作品の夕べ」という
箏奏者の方の演奏会にお誘い頂き行って来ました。

興味はあるのですが、内心「寝てしまったらどうしよう」
という心配がよぎっていました。

しかし、幕があきましたらそんな事全く無く
本当に素晴らしい演奏に、十分に楽しませて頂いたのです。

私はブルースやジャズが好きで自分でもバンドをやっているのですが
音の出すタイミングやメロディー展開の面白さに完全に引き込まれておりました。

初めて知ったのですが
箏や三味線は曲が途中で変調すると、チューニングも演奏しながら変えるのです。
勿論、機械なんて使いませんし耳でです。
これは難しいですよ。

そして、これがスゴイ!
何人かの奏者で演奏しますよね。
あのスローなテンポをあわすのがスゴク難しいと思ったのです。
西洋音楽なら、指揮者がいたりドラムがリズムを刻んでくれたり
誰かがリードして、それに皆があわします。

勿論、邦楽にもリズムは感じますが誰も体でリズムは取っていません。
伺ってみますと
何と「呼吸」をあわしているのです。

ソロ奏者 例えば三味線が主なメロディーでしたら、三味線奏者の呼吸に
能でしたら舞人の呼吸に周りが合わせるそうなのです。

これには驚きました。
という事は、鼓(つづみ)の人が 「ヨー ハッ」 言っているのは
あれはリズムなんですよ。
そう言えば「息を合わせる」って言葉ありますよね。
初めて知った日本の文化でした。

もし未だ邦楽を生で聞いた事がない方
是非行ってみて下さい。
私はお勧めいたします。






  
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Posted by HIROSHI UETA at 04:14Comments(0)道程