Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2008年02月22日

戦利品



突然ですが、私は京都のリサイクルショップが好きです。

古道具屋も好きなのですが
付加価値を付けてる物が多く、なかなか手が出せません。

しかし、リサイクルショップでしたら安く手に入りますし
京都という土地柄のせいでしょうか、昭和初期や大正の頃のチョット古い物もよく売られているのです。
他の土地ではそうはいかないと思います。

書道道具で探すとしたら墨。
墨は古く成る程良くなると言います。

20~30年経った墨でしたら、元の定価の2,3倍の値が付いてる事もある位です。

ですから、リサイクルショップや古道具屋で使いさしの物でも
古そうな墨を探します。

小学校の頃使った様な物でも、落ち着いた良い色がでる事があるのです。
お立ち寄りましたら是非、探してみて下さい。

今回見つけました物は、版木です。
上の物は銅板で、下の物は木版でした。



図柄が歯医者さんと、薬品の調合をしてるのでしょうか?
ナントも不思議な絵です。
医学書の挿絵としてでも作られたのでしょうか?

しかし、そんな事を抜きにしてもこの細かい細工に驚いたのです。
刷りが上手くないので申し訳ないのですが
線描だけでここまで仕上げてる事が凄い労力です。

この版が600円程度。
驚きです。












  
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Posted by HIROSHI UETA at 02:52Comments(0)マイ・フェイバリット

2008年02月14日

「妙凛さんの紙の結晶」展


以前コラボで紹介してました
切絵(紙の結晶と呼んでるそうですが)の作家妙凛さんの個展が
現在開催されております。

私の他数人の書家さんとも一緒に仕事をし
その作品も展示されている様です。

祥細は以下にて
{第ニ回紙の結晶の世界展「誕生・光・命」}
会期;2月12日(火)~17日(日)
会場;びわ湖大津館(大津市柳ケ崎)
時間;13:00~19:30
(最終日のみ10:00~17:00)

妙凛さんオフィシャルブログ http://blog.goo.ne.jp/myourin/
会場のびわ湖大津館    http://www.biwako-otsukan.com/

私も週末に伺う予定でおります。
興味ありましたら是非会場に足をお運び下さいませ。

  
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Posted by HIROSHI UETA at 23:19Comments(0)お薦めの展示会

2008年02月04日

個展開催決定!



久しぶりに本拠地京都での個展を開催する事と成りました。

今年2008年は紫式部によって源氏物語が書かれて丁度1000年の年。
京都では、源氏物語千年紀委員会http://www.2008genji.jp/index.html
という物も発足し
多くの源氏物語にちなんだイベントが開催されております。

という事で
「上田普作品展 書・源氏物語のをんな」
という個展を4/26~5/18開催いたします。
場所は京都文化博物館別館内ART GALLERY "arton(アートン)"  

初日(4/26)にオープニングパーティーもありますので
まだまだ先の話ですが
どうぞ、御予定下さいます事を願っております。

今後、詳細が決まってくると思いますので
追ってこちらにてお知らせいたします。
多くの方にお目に掛れます事を願っております。


画像はガラスにかきました
「みやび」です。
3連作で出来てます。
手前に「み」、後左が「や」、右「び」となってます。
しかし、正面からの画像が無いので分かりにくいですね。 すみません。





ガラスの裏側に紙に書いた源氏物語絵巻の本文を
貼り合わせてます。
  
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Posted by HIROSHI UETA at 14:21Comments(2)個展・グループ展/Exhibition

2008年02月02日

国宝源氏物語絵巻


国宝源氏物語絵巻 鈴虫より
「とはなくふえなとふかせたまふ
しのひたる御まいりのさまなり
うるはしかるへきをり〱は」



いつかこのブログにて書きましたが
http://hiroshiueta.kyo2.jp/e34659.html
この国宝源氏物語絵巻は紫式部が書いた物ではなく
写本と言いました。
そして何人かの人によって書かれた物と。

今回はそれを見て頂こうと思います。

上にあげました書は、手本にしたい程スマートな癖の少ない物です。
流れるような線のつながり、左右にクルクルと回る筆遣い。
線の太い細い、墨つぎによる濃さとカスレの抑楊。

こんな手紙が来たら
顔を合わせる前に、手紙や歌でやり取りをしていた平安人は
さぞ美しい、教養のある人なのだろうを想像をふくらましてトロケていたはずです。

そしてこの書。




国宝源氏物語絵巻 東屋より
「さしとむるむくらやしけきあつ
まやのあまりほとふるあまそゝ
きかな」 


非常に力強い、個性のある書です。
左右にクルクルというより、上下左右に直線的に線をグイグイ引っ張っています。
(一行目4文字目の「む」なんて必要以上に力強く線が下がってきて、点に向い上がっています。)
線が少しバラけている所を見ると、細かい事は気にしないタイプなのかも知れません。

この様な手紙が来たら、M気のある人でしたら大喜びでしょう。
人を引っ張っていく、指導者的存在な人かもしれません。

しかし、こういったのは手本には向かないと思います。
ある程度技術を身い付けた人はいいですが
人の癖を自分の癖にしてしまうと、自分の個性が失われてしまうかも知れないと思うからです。


違う人によって書かれている事は一目瞭然です。
こんな風に絵巻物を眺めて見るのも楽しいと思いません?






  
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Posted by HIROSHI UETA at 00:51Comments(0)マイ・フェイバリット