Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2010年11月25日

新作紹介「痕跡」


作品 痕跡(コンセキ)
675×820(mm)
灰、墨、膠、定着剤


夏頃、木津川市を知ろうと事前に何度か伺い散策しました。

目に付きましたのは
昔の名残りの様な物です。
明らかに残そうとした物もありますが
気にもされずに残ってしまった物。
そして生活や風景の一部と成った物でした。

そういった物は町中で無くても
実は我々の周りにも多くあるのではないでしょうか?
それは意識しなくても未来に残されていく物に成る。
(良いにしろ、悪いにしろ)

色々と理由を付け
手当たり次第に手に入れ、我々は未来に何を残すのか?
大きく言えばどう生きるのか?

そういう意味も含めて「痕跡」というテーマにしました。

(画像はクリックして大きく見られるます。)

そのテーマ「痕跡」を書いた作品。
古い土壁の建物がある中、その土壁がハガれ
その剥がれた跡が何かに見える。 って事はあり得ますよね。
それを痕跡と見える様に制作した作品です。

土では重く、紙の上には定着しにくいので
火鉢にある灰を使いました。

灰と刷った墨、膠も足して混ぜ合わせ
紙に塗り、乾いた頃に
剥がすようにして文字を出す。

膠である程度定着していますが
引っ掻けばボロボロと剥がれます。
最終的は定着剤を全体に降りかけ
崩れにくくしました。

でももしかすると
この作品は痕跡も残らないかも知れないですね。


  
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Posted by HIROSHI UETA at 02:33Comments(0)作品/Works