Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2017年07月26日

ミラノ展での失敗と成果


これから海外で活動をしようという方もいらっしゃるでしょうから
何かの参考になればと思い、ミラノでの展示の反省と得た事を。

今回の私達の展示は残念ながら思ったほどの成果が出せなかったというのが正直な所。
イタリアの知り合いはいませんし
事前に広報の手掛かりを見付けようと検索しても出て来るのは有名美術館やイタリア語で良く分からない情報ばかり。
なので日本からアプローチする事は難しいと思いこみ
広報はギャラリ-に任せるしかないと思っていたのがそもそもの間違いでした。

ブルガリアの時は在ブルガリア日本大使館にご協力して頂き
国営のTVやラジオにも出演、インタビューも数社のを受けましたし
イギリスの時は先方が企業協力や助成金を用意して、新聞で宣伝し
町中のあちこちにチラシを貼って宣伝してくれていました。

今回はその頼みの綱のギャラリーの広報が不十分で
近所の日本雑貨を扱うお店の人も私達の展示を知らなかったほど。

ちょうど行った時期メッチャ暑かった事(連日35℃とか)もあるかも知れません。
地下鉄が工事で公共交通が色々変わっていた事もあるかも知れません。(これらはギャラリーの言い分)
それともコチラの企画、内容が悪かったのか・・?
理由は探せば色々あるでしょうが
こんな事なら自分でもっと色々広報やっておけば・・・って事です。

今思えば無理を承知でも日本大使館や日伊文化協会
ミラノにも日本文化を紹介する施設、グループはあるのでしょうから
英語や日本語ででも自分で広報活動をしておくべきでした。

またひとつは思惑を外していた事もあります。

ジャポニズムがヨーロッパで流行ってから
150年も経とうという時なので
日本の伝統文化、様式は既に理解しているだろう・・・今の表現を見せた方がきっと良いはず。

そう思い
別にイタリアだから何を変えると言う事はせず
今のままの作品を持ちこみました。

今アートのマーケットで”モノ派”が注目されている事はこれを見てもわかりますね。
書店でもモノ派の本が置いてありました。

しかしそういうのに関心がある人はやはり限られた人で
その人達に情報を届けらていないとなるとそれは当然難しい。
ギャラリーは分かってくれていると思っていたのですが
私達が会期中に話をするまでコチラの作品の傾向を全く理解していませんでしたから
事前にしっかり作品の話や、どういう所(人)に情報を流して欲しいと伝えるべきだったと思います。

またヨーロッパの人々は文化に対して関心が高いと思い込み
路面店であれば人が入ると目論んでいた所もあったのですが
そこは日本と同様。興味のある人しか入ってこない。
当然の事なのですがその”興味のある人”っていうのは実はそんなに多くないのですよね。
そして興味があったとしても
道行く人はいわゆる一般の人なので、日本土産的なモノに関心がある訳で
ソコを求めるならもっと分かり易い表現が正解だったのだと思います。

などと言うのには
向こうのギャラリーの形態が周ってみて分かったからです。


普通に道を散策していてもギャラリーに出会う事がなくて
こっちの人は何処に展示してるんだろうと疑問に思っていたのですが
ブレラ美術大学の学生の展示を見に行き突破口が開きました!
ギャラリーマップが置いてあったのです。

次の日から地図にチェックを入れつつ地元ギャラリーを目指して出かけました。
しかし住所の所に言ってもギャラリーらしき建物はない。?
建物の辺りをウロウロしてると管理人さんが声を掛けてくれました。

「アートギャラリーがこの辺りにあると思うんですが・・?」
「あるよ・・やってるかなあ?」と建物の中に入り「大丈夫、大丈夫」と戻って来て
「ココにギャラリー名があるでしょ。 コレを押して話したらゲートを開けてくれるから中に入って」
と教えてくれました。

表には展示会名やギャラリーの看板みたいなモノは全然ないんです。
でも中に入ると美術館とでも言える様なスペースがドーンとある訳。


他でも大体そうでした。
ギャラリーのある建物正面。ブザーを押してゲートを開けてもらう。



中に進み、その中のどれかがギャラリー。




ギャラリーめっけ。



もう一度ブザーを押して中に入れてもらうと
外からは想像できない空間が。






とまあこんな感じですので
一般の人は元々相手にしていません。
通りすがりに入るなんて到底無理な話です。

で誰を相手にしているかと言えば
招待状を送る顧客です。
いくつか頂きましたが贅沢でカッコいい招待状を送り、華々しくパーティーを行いそこで作品が動く。
というやり方。

ですので一般の人はギャラリー慣れもしていませんし
美術館の様に入場料が必要だとも思いこんでいたりします。
(そういえば結構ギャラリーを周りましたが他のお客さんと遭遇する事もありませんでした。)
ソコを何とかしたいと思い、試行錯誤しているのが
今の日本のギャラリーや、カフェギャラリーの形態でもあるので
一般の顧客という意味では日本の方が進んでいるのかも知れません。

別の視点もありました。
時期です。
ミラノではミラノコレクションやトリエンナーレ等の世界的な催しがあります。
その時は世界中からそれらに関心のある人が集まってくるから
その時期に合わせて場所を借り、人を呼び込む方が良いよという意見。

先ほどの様に元々建物の奥まった所にギャラリーや
ショールームがあるのが普通なミラノですから
中心地の物件の中で場所を借りソコをショールームにしてしまい人を呼ぶようにするとか
呼ぶ人が無いなら数人でグループを組み、催し自体に参加するとか。

イタリア人自身を信用できないから
ミラノを拠点にしながらもイタリア人とは商売しないという人もいました。
いろんなやり方があります(笑)。

まあ行ってみて分かった事が多いので今回の失敗は次の機会に生かしたいと思います。
もしミラノのギャラリー情報が欲しいという方は言って下さい。
ギャラリーマップ程度の情報でしたらお伝えできると思います。


  
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Posted by HIROSHI UETA at 15:21Comments(0)個展・グループ展/Exhibition

2017年07月19日

ミラノ3人展。展示風景

ミラノでの2週間の展示をして先週帰ってきました。


今回は先ず展示風景をご紹介。


宮本信代は人物、風景等の墨の絵の作品。
古民家や子供の絵が人気でした。


安藤なおみの富士山バッグが通る人の目を惹きました。

私は軸物が中心


この鯛バックも人気でした。鯛はめでたいという意味なので・・と説明はしたのですが
魚なのでマリンルックなイメージに捉えられるという意外性・・。

折り鶴は海外に出た時の妻の必勝アイテム。
子供が来た時にあげたり、カフェでテーブルにそっと置いてきたり。
結構喜ばれます。

私は持ち運びやすいという理由からほとんどの作品を掛軸に仕立てました。
宮本信代は作品をマットに入れた状態で"ひッつき虫君”で固定。
2人とも平面作品なので中央や什器の上は安藤なおみの作品を展示。



TRINITASとのコラボ服も。着てみるとこんな感じ。
ロングカーディガン「雪月花」

名付けて"WA MODS”パンツ「夢もまぼろしも久しかりけり」
袴を融合させ、帯を締める様になっているのでフリーサイズ。




オープニングでは来て頂いたお客さんをモデルに母がライブペインティング。

このかた描く段階になってわざわざサングラスをかけるんです。
ほんとお洒落マダムでした。

私も私もという事になり結局4人描きました。

沿道から覗いてた人も入って来てくれました。



ちなみに紙のサイズは2尺×8尺

白い軸は軸装作家 辻めぐみさんに製作頂いたORIORI軸。

正面から見るとほぼ白い作品なのですが

光や見る角度を変えると画面が見えてきます。
白いインクで作ったシルクスクリーン作品「ときめき」
作品の意外性でこれが私の一番人気だったでしょうか。


話せば長いので今回は一先ず展示風景のみ。
いやー色々ありました。 それは次回に。





  
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Posted by HIROSHI UETA at 13:34Comments(0)個展・グループ展/Exhibition