Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2018年03月11日

正座で書道は嘘?伝統を疑う。

日本の昔からの伝統と思い込んでたモノで
そうだったの?っていう事がちょこちょこあります。

例えば着物。
“一般”の人の着物が今の様なスタイルとして完成したのは
明治になってからなんですって。
これは着物屋さん情報だからたぶん確か。
今は着物の着方が難しく、学校まであったりしますが
伝統とは言いつつ明治から始まった話だったんですね。

最近知って驚いたのは正座の話。
私の教室で正座で書くのがツライって話にたまになるんです。
生徒さんの中に私と一緒に疑問を持って積極的に調べてくれる方がいらっしゃるのですが
そう言えばと思って平安時代のカルタなんかを見てると
昔の公家さん達はどうも正座はしていなくて胡坐。


でもお坊さんは正座してる様に見える。

という事でもっと調べると。
どうも正座をするのは神様に対して何かをする時に
神職の人がするのが正座との事。

という事は公家さんは正座はしていない?
私達が学んでいる紀貫之、小野道風、藤原行成は正座で書いて居なかったの?
伝紀貫之 高野切

伝小野道風 継色紙

なんだか凄く見方が変わる!!

韓国の人達の座り方で立膝が正式。なんてことで「へー」って思っていましたが
日本もかつては立膝や胡坐がどうも正式だった様です。

そんな事を教室で話している頃。
TVで江戸時代に徳川が参勤交代してくる諸大名に
自分の前では正座をさせたんだという話が出てきました。
自分がお上だという事を強制させた訳ですね。
それが
一般の家に畳が普及した事(江戸中期)とあいまって、正座する事が
全国に広まったのか?

という事は書道は正座でというのも最近の話なのかも知れません。
(書道の長い歴史から考えると江戸は最近)
茶道でも長時間の正座でツライなんて話も良く聞きます。
千利休は茶室で正座をしていたのでしょうか?
利休の時代は徳川よりも前です・・・。
昨日生徒さんが持ってきてくれた文献では

かつての茶道では右下の亀居という座り方だったという話もありました。
いわゆるオバちゃん座り。

日本の伝統文化はこうだ!と強いる考え方。
それらはもしかしたら明治の西洋文化が入って来てから
それらと区別する為の考えで、もしかしたらソコに武士道みたいなモノが加わって
今の作法となったのかも知れませんね。

私はそういった作法の様な形よりも
そのモノの本質はどうであったのかという中身の方が大事だと
思っています。
確かに人に何かを伝える為には形を伝える事が一番手っ取り早くて
楽なんですけど、その為に中身が伝わっていない事って沢山あると思うのです。

昔の人がそうであったように
もっと柔軟に、文化や文明と向き合った方がイイのかも知れませんね。
「常識を疑え」って大学の授業ではよく話しているのですが
私が常識人だったと思わされたお話でした。

ついでに書道を勉強してる人の中では有名な話ですが
明治の有名な書家 日下部鳴鶴。月桂冠の字もこの人なのですが
その鳴鶴の筆の持ち方がコレ。

廻腕法という持ち方なのですが、いまこの持ち方をする人には出会った事がないですね~。


これは蒋介石。五指執筆法って言うんですかね。
中国の方はこういう持ち方をするみたいです。
じゃあ日本の歴代の能書家は?
  
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Posted by HIROSHI UETA at 17:09Comments(1)