Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2016年10月11日

イギリスで石と書のコラボレーション

イギリスではウェールズ・フィッシュガードのブルーストーンの造形作家(Bluestone Sculpture)のダレン(Darren Yeadon) さんとコラボレーションもしてきました。

ダレンさんは以前はイタリアでも活動されていましたが
現在はウェールズでコミッションワークやオリジナルアートワークの製作をされています。
ダレンさんの作品

彼の扱うブルーストーンは硬くて有名な石だそうで
ストーンヘンジの使ってた石もそれだとの事。
ストーンヘンジの石は数千年後の今も残っていますので
きっと私達のもその気に成れば千年以上残りますw。

コラボレーションの話を聞いた時は石作品の制作には時間が掛るでしょうし
メールでやり取りし、データを送りながら進めるのかと思っていましたが
現地で石を見ながら制作していく事に成りました。

共同製作初日の朝、ダレンさんから「さあ、この石で何をする?」って
シャメが送らせて来ました。
私は全く想像もできなくて「we will see」とだけ返信して工房に向かったのでした。


実際に石を見てると、京都の庭師さんの仕事を思い出しました。
なので私なりにこの石の上下と正面を決め提案すると
「それは良いアイデアだ」と快諾!
その入りが良かったのか、その後は私の考えと方向性を快く受け入れてくれました。

とは言っても、もちろん私も彼のスタイルや作業の仕方、アイデアも尊重しながら
意見を聞き、伝わらないければサンプルも見せてくれながら進めていきました。

上下を決め、底と成る部分を平らに。
(私は埋めるのだと思ってましたが、切りました)
底辺を作る。

立てた様子。もうカッコいい!

約350kgの石を手作業で動かすスゴイ男!

ダレンさんの話だとこのブルーストーンは磨けば中から黒い層が出てきて
磨けばその黒い中から白い星が出て来るんだという事。
「石の中に星の輝く宇宙がある」そんな風にイメージし
和歌にもよく詠まれる「月」と書く事にしました。

そんな事を話していると彼は「じゃあ私は光や太陽の様なエネルギーを表現しよう」と言う事に成り
互いに担当面を決め、それぞれに表現する事に成りました。

まさしく、地球の半分が昼の時はその反対側が夜に成っている訳だし、陰と陽。
私達農耕民族は月を基準に農作物を作る訳で、ピッタリな表現だと感じました。

あともう一提案。
「何も手を加えない所も作ろう!」
私達の文化は如何に自然を表現するかだから、私達が立ち入れない部分も必要だと思う。
という事でお互いの面と、手を入れない所を決めました。
墨を磨って

「月」と書く

アウトラインを削る。


決して石の埃を吸ってはダメという事で。ナウシカみたいなマスク。

コチラはダレンさん側。
放射線状に線を引き
切り。

溝を作っていく。

表面の層を削りとる。

両サイドから。

黒い層が出てきた。

荒手から徐々に細かく12段階ほどの工程で磨き、光ってきたら

中から天の川みたいな星が出てきた。

ダレンさんのも切り終わるとギザギザの模様が生まれ。

磨きおわり。この黒い色は2週間程するともっと黒さが増すんだそう。

「月」に見える?


下の方に互いのタイトルとサインを私は日本語、ダレンさんはウェールズ語で。
私は「月影」と名付け

、彼は「太陽」

ここまでの工程がたったの3日間。思ってたよりメッチャ速い!
その3日で、概ね作品は形にする事ができました。
滞ること無く、順調に作業が運んだ事もありますが、私がウェールズに居てる間に何とか形にしようと
私を送ってからもダレンさんが1人でコツコツ作業を進めておいてくれたからです。感謝。

完成した全体像は見られませんでしたが
なかなか素敵なモノができたと確信しています。
すごく気に入ってしまいました。
その後も、このままだと低い作品に成るので
この辺りのブルーストーンを土台にし

こんな感じで積み上げるんだそうです。

完成すればフィッシュガードのローワータウンと呼ばれる港に設置される予定。
こんな感じの可愛らしい港。周りにはB&Bやカフェも点在していました。

設置されたらこの港のB&Bに泊まって絶対見に行きたいですし
作品を挟んで2人で写真撮りたい。
また絶対帰って来るからね。と固く約束したのでした。

昼に一緒に食べたベーコンエッグサンド美味かった~!





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