Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2009年02月13日

「私が中国に行った訳」道程1

昨年11/23 母校徳島の四国大学交流プラザにて
「第5回四国大学書道文化学会大会」に参加させて頂き
卒業生の活動という事で講演をさせて頂きました。

その発表内容を原稿にとお願いされまして
つい先日まで執筆しておりました。
完成した一部をこちらで紹介しようと思います。
あらかじめ言っておきますと
書道を学ぶ人間の一人として、学生達の参考にと思いお話させて頂きましたが
十人十色の過程と手段、出会いが或る訳で、
至極個人的な歩みとして
見て頂きたいと思います。
「私が中国に行った訳」道程1

「私が中国に行った訳」道程1

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日比野五鳳作「のどかさに 寝てしまひけり 草の上」


四国大学の学生の頃、
書道を芸術として「表現する」という事を考えていました。
書家でその頃好きだったのが井上有一と日比野五鳳。
彼らは独自の書を残しました。

井上有一の鬼気迫る姿と作品には圧倒されましたし、
日比野五鳳の人となりが出た大らかで洗練された作品には魅了されました。

しかし、芸術の分野で書道の位置づけは難しい。

絵画や音楽は国境が無いと言われ世界各地で講演や展示が出来ますが、
文字を書く書道はその文字を理解しない人にとってはどうなのだろう。
私らしい作品とは…。

答えの無いまま手本の文字を少し変えたり、誰か風の物を書き模索して居りました。

卒業の時期が迫る頃、思い切って中国に留学する事を決めました。
文化大革命以後文字が簡略化されたという現在の中国の書はどうなっているのか。
日本に入って来ていない今の中国の作品を見て、
そこから何かのヒントが得られるかもしれないと思ったからです。
一九九八年中国浙江省杭州大学に留学しました。
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井上有一の貴重な制作風景。
さすが! と思うのはこんなに大きな筆を使っているのに
筆の先を使って書いている。

一般的には大きな筆を持つとドン!って筆をおいて
振り回す様に書く事が多いが
そうすると線が悪くなる。

筆の大小にかかわらず、筆の先を生かして書く事が大事!


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