Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2009年10月14日

制作の仕方



作品を制作している時のゴミの山です。
実際はこれの2倍の山を作ったのですが

私の制作の仕方はナカナカ効率が悪いのです。
今回の作品は扁額(門戸や室内などに掲げる横に長い額。)作品の依頼でしたが
130×70cmの紙を200枚程使ってしまいました。

何度も書きながら構成を決め
文字の流れを考え
筆使いを模索していきます。

間にボツボツの物は出来上がるのですが
「まだ出来る」と思えば引き続き書き続けます。

煮詰まると一旦休んだり、次の日にしたり。
しかし、筆が進んでくると
その感じを失いたくないので凄いペースで紙を消費していきます。

そう言った時に‘ふと’自分の実力以上の物ができあがるのです。
「数打ちゃ当たる」感じですかね。
そこまでいってやっと一つの作品を完成させる事が出来るのです。

こんなやり方だから時間も掛りますし
紙の消費がヒドく多いのです。
もったいないとも思うのですが
その分、少なくなった紙の生産者が潤えばイイかなんて考えています。
ちなみにリサイクル業者は引き取ってくれませんでした。

学生の頃、放課後創作室で一人制作している先生の姿を拝見した事がありますが
書かれる漢詩の原稿を片手に
半切(約130×35cm)サイズの作品を一発書きで次々と仕上げて居られ
「職人技やなー」と思った事があります。

人によって制作の違いはあります。
或いは、目指す物が違うのかも知れません。

油絵でも速書きの作家も居ますし
書いては削りしている作家も居ます。

ただ私達墨の作家は書けば書くほど
紙代が飛んでいっているという事ですね。(汗)


出来上がった作品は後日ご紹介致します。


  
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Posted by HIROSHI UETA at 02:51Comments(0)道程