Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2013年06月26日

掛け軸完成

掛け軸が完成しました。
実寸を図るのを忘れていたのですが
洋間でも違和感なく展示出来る事を考慮して
縦1m程度で通常よりも短くおさめています。

作品「ながれ」 藍の花、中国画仙紙
藍の花はいつかも書きましたが
藍を瓶で発酵させる際に出てくる結晶の事。


本紙(作品)上下のだけに同系色の裂を付け
左右は無し。
その代わりに紫がかったインド更紗をスジで入れて頂きました。
軸先は鉄の様なやや鈍く光沢のある六角形の陶器。


作品「おむな(空蝉)」 墨、中国画仙紙

空蝉(ウツセミ)とは源氏物語に出てくる女性(空蝉)から。
蝉の抜け殻の意で、掴み所のない女性の事と理解した。


白い紙に、白地の裂を使ったので
赤や朱、黄色等の差し色を入れようかと色々考えましたが
グレーというかシルバーというか・・の生地を
作品の影が落ちているかの様に細く入れて頂いた。

そうする事で作品が少し浮いているかの様な
錯覚が生まれるかなと思いまして。
横より縦が若干細く成っている。

軸先はチーク材の様な色の寄木。
色合わせだけ見ると私のよく使ってる額装とそっくり。

モダン風でもなく、民芸風でもない物が出来上がった様に
感じていますがいかがでしょう?

今回度々表具師さんの所で打ち合わせをし
仕事を見せて頂きましたが
見えない仕事の多い事に頭が下がりました。

いつか仕立て直しされる事も考え、掛けた時の姿を見据え
巻く時の不都合が無い様に
事前、事前に手を打つ表具の技術に関心させられ通しでした。

やっぱり掛け軸は面白い。


  
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Posted by HIROSHI UETA at 20:46Comments(0)作品/Works