Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2015年01月20日

「アーティストの生かし方」瀬戸内国際芸術祭2016現地見学会

先週風の吹き荒ぶ中、瀬戸内国際芸術祭2016の現地見学会に行って来ました。
瀬戸内国際芸術祭は言わずと知れた3年に一度開催されている
大規模な屋外アートイベントですが、来年はその3回目の開催の年。

招待作家の他、公募形式でも参加者を募集していて
その公募の為の現地見学会で
香川県高松市の港に集合しチャーター船、チャーターバス、そして徒歩による
一泊二日で開催の7島を周るという弾丸ツアーでした。

私は淡路島生れなのですが
こちらの方に行ったのは初めてで
水仙が咲いていたり、漁業、農業等、似てる所もあれば
家の建て方や風土等、島ごとにも違った文化も垣間見れて興味深かったです。

先ずは高松港の大巻伸嗣 さんの作品前に集合。
強風と海も荒れてて先が思いやられました。

豊島(てしま)

集会場にあった唄の歌詞。

島キッチン


小豆島
土庄郵便局 切手が一杯。



素晴らしい字




北川フラムさんの説明会

2日目天気も穏やかで、ほんのり暖かくなりました。
男木島
細い坂の小道が迷路の様にあり、尾道の様な情景。
猫が多い事に驚き。
男木島の魂 ジャウメ・プレンサ







歩く方舟 山口啓介


女木島
別名「鬼が島」なんですって。
桃太郎伝説は岡山ですから距離的にも確かにそんな辺りなのでしょうか。
鬼がおる。

カモメの駐車場 木村崇人 風見鶏になっている。

鬼が住んでいたという洞窟。

沖縄の様に風除けの石垣。


沙弥島
瀬戸大橋がすぐそばの素晴らしい眺め。


こういうのを見たら気になってしまう。

本島
この辺りの島の自治を任されていたという島。
徳川や豊臣からの朱印状も展示。
素晴らしい彫刻。

この字も興味深い。



豊臣秀次の朱印状。


高見島
迷路の様な坂道を登り下り。映画の撮影にも使われていたという。
瀬戸内海の景色がタマラんのです。



とまあ7島まわって解散だったのですが
今までの取り組みやお話を見聞きしていると、アートの枠組みが随分広くて
「~プロジェクト」と名付けている意味が良く分かりました。
作品を展示して終わりというモノだけではなく
継続してこの島や人と関わっていく取り組み。
考え方、或いはライフスタイルみたいなモノも取り上げているのだと感じました。

きっとこれは瀬戸内国際芸術祭の中だけではなく
個々のアーティストの活動の仕方にも言える事じゃないでしょうか。
企業さんや農業、漁業の方の中にアーティストという別の個性と価値観を入れる事で
新しい取り組みが生れ、そこに経済が動く事になる。
過疎の村、町にアーティストを入れる事で魅力を可視化し観光や移住に役立たせる。

この様な取り組みは他でも見られます。
関西のデザイナーさん達から始まり全国に拡がっている「マチオモイ帖」や
以前イベント等でもご協力頂いた株式会社シーズクリエイトさんが協力されている
地域活性の取り組みもそう。

少し前までは「アートは何の役にも立たない」なんて考え方もありましたが
アーティストの考え方はその本質を探る事に長けていますから
国や自治体がする様な直接的な動きでは無いにしろ
こういう取り組みが地方の発展に役に立てるのでしたら
「アーティスト業もまんざらでもない」って考えも起こるかも知れませんよね。
  
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Posted by HIROSHI UETA at 23:42Comments(0)