Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2020年12月03日

書道&VRパフォーマンス


もう一ヵ月も前の話になりましたが
京都コンポーザーズジャズオーケストラさんとのコラボレーションコンサート
『音、沈黙と測りあえるほどに』沢山のご参加頂きありがとうございました。


オンラインからは会場の倍くらいの方がご覧頂いてたそうで
実感としては無いのですが、ステージの直前にオンラインでの視聴数も
聞いていましたので、励みになりました。
誠にありがとうございました。書きまくりましたw!


実はライブ配信用のカメラとは別に
ステージ上や筆にもカメラを付けての撮影もしていたのです。
それらの映像も組み込み、編集して映像作品としていつかご披露できるんじゃないかな
と思っていますので、是非お楽しみに!

また徳島ビジネスチャレンジメッセ2020というのが現在開催されており
そのオープニングセレモニーのゲストパフォーマンスとして四国大学の書道グループ”悠縁”による
VR書道パフォーマンスの企画、指導として関わってきました。

初めてVR機器に触る学生達に一からの指導でしたが
さすがミレニアム世代、直ぐにコツをつかみ使いこなしてくれました。

非常勤講師として行っている四国大学ですが
書道の他にも、音楽、デザイン、情報、食品等の学科があり
音楽は卒業生で徳島で活躍されてる福富弥生さんの生演奏に成りましたし
機材も全て大学に揃っている上、そのスペシャリストの先生もおられ
オール四国大学で取り組む事ができました。
その様子は既にアップして頂いていますので是非ご覧下さい。

リハーサル時に原因不明の機械トラブルがあり
ほとんど直前のリハーサルができなかったのですが
学生達は度胸一発で見事にパフォーマンスを披露してくれました。

この事は多くのメディアにも取り上げて頂く事ができました。https://www.asahi.com/articles/ASNCJ6V03NCJPTLC015.html
また大学HPにもhttps://www.shikoku-u.ac.jp/news/topics/20201116-2.html
四国放送では密着取材もして頂いてたのですよ。
こういう時だからこそ何かワクワクする様な
未来への希望が感じて頂ければ嬉しいですね。

徳島ビジネスチャレンジメッセ2020はオンラインで今も開催中です。
徳島の様々なジャンルの企業が新しい取り組みを紹介していますので
是非覗いてみて下さい。
徳島ビジネスチャレンジメッセ2020特設サイト:https://2020.challenge-messe.com/
  
  • LINEで送る


2020年10月22日

文化の日のJAZZオーケストラとのコラボ


関西のJazzビッグバンド京都コンポーザーズジャズオーケストラさんのコンサートに乱入させて頂きます。
今回は文化庁の支援をうけての開催との事。


<前回の様子>

メンバーのトランぺッターはユン ファソンさんとは
他でも何度かご一緒させて頂いてて、回を重ねるほどに絡む事が楽しくなってくる感じがあって
もちろん絡んでいる時は私は書いているし、ユンさんは吹いてるので会話は無いのですが
音なのか、目なのか、自分でもよく分からないのですが
何かを察知してフィーリングでやり取りする感覚が何ともスリリング。

<前回の様子>

これはきっと数を重ねる事でより分かり合える事だと思うので
2回目の今回はきっと前よりも面白い!!
前回だけでもかなり楽しかったんですけどね。

また今回はコンサートホールですので
音は間違いなくもっと良くなるし、私も音も含めて表現しようと考えています。
これまでフランスのチェロ奏者Gaspar Clausさんや、パリのダンサーBenjamin Bertrandさんと
やって来た事がきっとここでも生かす事ができると思っています。

(私の参加は前半のみですが、私達の作った空間で演奏する
 Jazzオーケストラの様子も他では絶対見られませんから、それも絶対見もの!)

---------------------------------------------------
『音、沈黙と測りあえるほどに』
日時:2020年11月3日(火祝)
   開場18:00 開演19:00
会場伊丹アイフォニックホール 大ホール
  限定100席  前売4,000円 / 当日5,000
  ライブ配信チケット 3,000円
◎ご予約 お問合せ 050-5875-3685(担当 堤) KyotoComposersJO@gmail.com

出演: 京都コンポザーズジャズオーケストラ
   岡本真季 (ソプラノ歌手)
   鈴木康照 (教福寺住職) はじめ4名のお坊様
   山本翔太 (作曲)
   上田 普 (書)

ハイクオリティのライブ配信もします。
日本全国から、そして世界中からどうぞ!

チケットの購入方法
①ご来場の場合 「ご来場希望」の旨と ・お名前 ・人数
​ を記載の上 KyotoComposersJO@gmail.com コチラのメールアドレスに​お願いします。
②ライブ配信視聴の場合「配信希望」の旨とお名前を記入の上
同じく KyotoComposersJO@gmail.com にご連絡お願いします。
    ​↓
​  支払い方法のご案内がきますので
    ↓
  支払いの確認後, 配信URLが届くという流れになります。
-----------------------------------------------------------------------------------------
ジャズはその時に何が生まれるかですからね。
どうぞその瞬間を耳に目に刻み込んで頂きたいと思います。

  
  • LINEで送る


2020年08月28日

今回の作品展での試み。”結 connection”


超短く会場全体を紹介する動画を作ってみました。


8/22より「結 connection」がスタートしました。
今回は当初から、今後の事も考え色んな角度からアプローチした作品展に
したいと思っていましたので、製作の段階から「とにかく記録」していました。

様々なオンライン上での展示も見ましたが
当然ながら本物には敵わないですよね。
なんか物足りなさを感じてフラストレーションが溜まる様な気もします。

美術館やギャラリーの空気感や本物の素材感。
やっぱりそういうモノも含めて美術を楽しんでいたんでしょうね。

ともかくそんな事は今は言ってられないので
いつも通り 「だったらできる事。だからできる事」を探します。

・製作の現場も見てもらう。
・画像だけでは伝わらないサイズ感も感じてもらう。
・現場でも見る事が難しい事をオンラインだから見られる。
                  みたいな事にできないかなあ・・と。
また逆に会場にはQRコードを貼って、実際の作品を見ながら製作動画を見るという事もやっています。
双方向からのアクセスですね。

今はみんな様々な方法を探っている所。
その内に正解例みたいなモノが出てくると思うんですけど
その正解も決して一個じゃないと思うんですよね。
なので私なりに色んな事を試してみようと思います。
http://www.uetahiroshi.com/connection.html
コチラの私のHP内に今回の「結 connection」のオンライン版を作っています。
良かったらコチラの方で楽しんで頂けたらと思います。
そして気付いた事、提案なんかあったら教えて下さい。

蜜は避けないといけない時ですが
会場には8/30、9/1、6、8、9居る予定です。
別日でも撮影とかで要るかも知れませんが。

ともかく会場が素敵なんで、そういう時が来たら是非体感して頂きたいと思います。


  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 01:25Comments(6)個展・グループ展/Exhibition

2020年08月15日

生中継!五山送り火

いや~暑い(;´Д`)真っ只中ですね。一応「夏の終わりを告げる」と言われる"五山送り火”。
今年は縮小されて行われるという事ですが、KBS京都さんでは今年も生中継が行われます。


この角度からの右大文字がいわゆる五山送り火のイメージですよね。
なので"火”の文字をこの大の形に似せて書きました。(伝わります?)
一説ではこの「大」は弘法大師空海の書とも言われています。
書の世界では三筆のひとり。
書いてみるとよく分かるのですが2画目の左バライの角度がいきなり急な事と
右のハライが結構長いんです。それがこの「大」のイメージに近づける大事な要素でした。


京都の方だと毎年決まった所でご覧になる方も多いと思いますが
今年はお家で手を合わせられるのもいかがでしょう。
--------------------------------------------------
生中継!京都五山送り火2020
放送日時:KBS京都テレビ・BS11にてオンエア
    2020年8月16日(日) 19:00~20:30
--------------------------------------------------
コチラでもその様に言っています。

KBS京都、BS11が見られないという方はyoutubeでもライブストリーミングがある様ですし
是非ご都合の良いアクセスでご覧頂ければと思います。
詳しくはKBS京都五山送り火特集HP: https://www.kbs-kyoto.co.jp/okuribi/

  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 03:16Comments(1)依頼作品/made to order

2020年08月06日

4人展 「結 -connection-」 の開催


感染者が増えつつあるこんな という時にわざわざ展示会の予定を入れました。
急遽決まったので今回はDMも作りませんが

こんな時だからできる事もあると思うし
きっと今後展示会を開くに際しての自分の指標にも成るかも知れない。
と思い。色んな方向から試してみます。

しかしながら今回お世話になる「The Terminal KYOTO(ザ ターミナル キョウト)」さんは
ホントに素敵な会場なんです。
元京呉服『木崎呉服店』の創業者・木崎安之助の邸宅として昭和7年に建てられた・・・という事なのですが
細部にも趣向が凝らされてて、なんとまあ趣味の良い、また広々とした京町屋です。

カフェスペースからの眺め

打合せや、下見で会場に行く度にほっこりさせてもらえるw。

実際に見て頂くのが良いに決まってるので
是非お出で下さい! と言いたい所ですが今はそうは言いにくい。

なのでデジタル得意とは言えないのですが
私なりにこのBlogやHP、SNS、youtubeなんかと連携しながら
実際の展示とオンライン展示を併用で試してみようと思います。
tokonoma1 - Spherical Image - RICOH THETA


カフェスペース素敵でしょ!


そして今回ご一緒させて頂くのは
宮川光さん(画家)/ティナ・ケントナーさん(陶芸家)/ORIOBI作家 磨美さん(帯造形)
平面に立体に彩ってみようと思います。
----------------------------------------------------
「結 -connection-」
期間: 2020年8月22日(土)~9月9日(水)
時間: 9:00~18:00
    今の上田在廊予定/22,23,24,30,9/1,6,8,9
会場: The Terminal KYOTO
  京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424番地
  TEL : 075-344-2544
---------------------------------------------------
ご来場でも、オンラインでもご都合の良いアクセスでお楽しみ下さい。

2nd room - Spherical Image - RICOH THETA






  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 21:44Comments(0)個展・グループ展/Exhibition

2020年08月02日

日仏アーティストによるオンライン展覧会『Nature Is Not Your Household』


人に足を運んでもらうという事が難しくなって
今後どう展示会をやっていくのか
ここ数カ月色々実験やったり、調べモノをしたりとやっていましたが
ひとつの答えはオンライン展示。

実際に見てもらう事が一番な事は良く分かっていますが
ただオンラインだからできる事もあるのではとも感じています。

東京の美術館のトークイベントなんかも見てましたし
いま開催中のヨコハマトリエンナーレもオンラインで
オープニングレセプションをやってくれていましたので
最先端のアートディレクターの考えてる事が垣間見れました。
普段なら行けないので、オンラインである事の良かった事のひとつ。

ともかく色んな所で模索が続いています。

という事で今
アンスティチュ・フランセ東京 の協力で『Nature Is Not Your Household』という日仏アーティストによる
オンライン展覧会にグラフィックデザイナーのグレゴリー・アンボスさんと
コラボレーションさせてもらい参加させてもらっています。
「変態」「変態」と言っても昆虫がサナギから成虫になる方の「変態」ね。

哲学者エマヌエーレ・コッチャの著作『植物の生の哲学』と
『Métamorphoses(変態という意味)』からの抜粋テキストに対して、13人の日本とフランスのデザイナー
イラストレーターたちが自由に応答し、ポスターを製作したオンラインの展示会です。

ポスターは販売され、収益は森林保全団体more treeに寄付されるとの事。

東京の友人が言っていましたが
こういう状況になって改めて都会ってモロイなあと。
それに対して田舎は外で仕事ができたり、散策できたりと
最低限気を付ける事はあるにしても、ほとんど変わりない生活があり、たくましい。

スーパーにしか出掛けられない時も、道中の草花が変わらずある事に
どんなに楽しませてもらった事か。
ともかく自然に対してこれまで以上に考える機会にもなったので
森林保全団体に少しでも関われるのは非常に嬉しい事です。

これまで海外のアーティストとのコラボは何度かやってきましたが
こうやってストレートにグラフィックの方とご一緒させてもらったのは初めてじゃないかな・・。
料理される側なのですが、これまでと味付けの仕方が違うので私としても単純に楽しい。

13のアーティストのそれぞれの表現がありますのでどうぞ楽しんで下さい。
https://natureisnotyourhousehold.org/jp/


  
  • LINEで送る


2020年07月23日

祇園祭「鷹山」の文字

2、3年前だったか現在は祇園祭の休み山の「鷹山」の文字を書かせて頂きました。
その時は復活する話は知らなかったのですが
現在は約200年ぶりの復活に向けて動いている。

過去の資料なんか調べても、何しろ「蛤御門の変」以降の休み山という事らしく
元の文字の見本も無く、これが正解というモノもない。
ただ京都の祇園祭としての、祇園祭らしい文字を書かないといけないので
今の山鉾の古い文字や提灯の文字を調べつつ、書きながら特徴を掴んでいきました。

一見勘亭流などの江戸文字的な印象も受けるが
特徴的な起筆と波磔(ハタク)もある。

ともかく試行錯誤しながらも完成。
無事納品を済ませ、陽の目を見るのはいつかと思いつつ待っていました。
今日街中で珈琲を飲んでると、前を通る女性の背に「鷹山」の文字。

「スミマセーン!」と写真を撮らせて頂きました。
来年に掛けてこの文字が増えていくとのお話。
帰りに粽も頂戴し、今後長く使われるであろう仕事の重さに気持ちを引き締めつつ
でも嬉しく帰路に着きました。
※鷹山保存会: https://www.takayama.or.jp/
 今年の鷹山の粽授与は2020年7月23日と24日10:00~15:00 との事。

同じ様に次の誰かが、この様な仕事を受けた際は
私と同じ事をするでしょう。
その為にキチンとした情報を次の人にパスしないといけない。
「私らしい、らしくない」みたいな小さな事はこの様な時はどうでもいい話。

  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 21:04Comments(0)依頼作品/made to order

2020年06月19日

父の日とうふ(男前豆腐店)発売中


男前豆腐店さんから「父の日とうふ」が発売されていますよ。
“父の日とうふ”の感謝のことば4種類。
 ・「男」
 ・「お父さん いつもありがとう 長生きしてね 大好きだよ」
 ・「パパ いつもおしごと ごくろうさまです だいだいだいすき」
 ・「父」

醤油をかけて文字が表れる様子は結構楽しい。
私も醤油が溜まり易くないとと思い、普段より文字を太く表現しました。
皆さんの想いが上手く伝わる事を願っています。

こんな感じでお近くのスーパーに並んでいると思いますので
販売は2020年6月15日~2020年6月21日までですので
お見かけしましたら是非。
ご家庭で楽しんで下さい。

  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 14:21Comments(0)依頼作品/made to order

2020年06月05日

オンライン展示会やってみます。

リモート会議や飲み会、教室など色んなステイホームが増えました。
悪くないと思う所と、なんか物足りないと思う所と様々ですが
リモート、オンラインだからできる事もあるよなあ~と考え
オンライン展示会をHP上にやってみました。

普段の展示会で見て頂いてるのは
言わば、完成品の良い所だけ。
もちろんそれこそが作品で、濃縮した全てなのですが
私達作家が考えているのは、考えた事をどの様にしたら形にできるのか?
という事です。

私自身も表現したいモノがあればどうすればそれができるのか考え
様々な道具を持ち寄って実験し、道具屋さんに相談して
道具、手順を試して最適な方法を探します。

これで出来ると分かれば、半分は出来上がったのと同じで
あとは良いのを書くだけ。

なのでそういう制作のプロセス全部を記録し
それも含めて作品として見て頂こうという企画にしました。

動画も多くあります。
リアルな時間を体感して頂く事も考えましたが
それでは数時間掛かりますし、データの容量が凄いので
倍速も入れながら、それぞれ5分程度にしています。

良ければ全行程を見て頂いた上で作品を鑑賞して頂ければ
より深く楽しんで頂けるのではと思います。
HP http://www.uetahiroshi.com/ コチラからどうぞ。

  
  • LINEで送る


2020年06月03日

作品「行」の制作3 墨の話


書が3Dである事は話した。
どうすればその表現ができるのか墨の調節。

墨は浸透して紙の中に入りそこから横に拡がる。
墨のにじみをよく観察すると、紙の表面ではなく内部である事が分る。
では紙の上で留まる荒い粒子と内部に浸透する細かい粒子を混在させれば
その表現が可能になると思いこの様な墨を使用した。

削墨。

墨を木型に入れて形成する時にできるバリ部分を
カンナで削り落としたモノで、コレを使って提灯や歌舞伎のマネキを書くのに
使われる墨で、今回求めたのは元々五ツ星と言われる最高級の墨の削墨。
コレをすり鉢で細かくする。

こうすれば荒い墨と、五ツ星の細かな粒子が混在させる事ができる。

  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 13:19Comments(0)道程作品/Works

2020年06月02日

作品「行」の制作2 書の本質

映画を見ていてふと気付いた事がある。
冒険家が誰も居ない荒野でケガをし、遭難した。
自分の終わりを感じた彼は岩に文字を刻みだした。

この岩に何かを刻みたくなる感情、自分の生きた証。
内部にある底からのメッセージ。それを残したいという衝動。
そういうモノが書の根本にあるのではないのか。

実験的な映像ですけど、以後の説明に実例になるかと。

この文字を刻むという深度が書には今もある。
点を書くにしても、筆先から紙に突き刺す様に、筆を沈めて書く。
一本の線にも筆を上下させながら書く、これには筆法というルールの様なモノも存在しているが、紙や墨がまだ無かった頃の石に文字を彫っていた名残が
ソコにはあるのではないか、筆は石を削る為の刀の代わりなのではと考えている。
書道をかつては入墨道※と言っていたのもその所以ではないか。

そして、その息遣いは紙の奥だけではなく、紙の上にも繋がっている。
様々な言い方をするが
気持ちが途切れないだとか、流れと止めないとか
よく小学生の時に言われる文字の途中で”墨つぎ”をしないというルールは
筆蹟は線と線の間にもあり、文字を形成する複数の線とその間も含めて流動的に書く。

古代では文字が呪術的に扱われていた。
文字ひとつに意味を持つ表意文字であればこそ余計に文字一個に対する意味合いが強い。
だからこそ文字の途中で心(息)が途切れない、という事になったのではないだろうか。

ともかく書は昔から紙の下にも上にも筆跡がある3Dとして認識していたのだという事。

※入墨道・・・書聖と仰がれる王羲之の書の筆力が強く,木に書いた墨が9mmもしみこんだという故事からによる。

  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 18:25Comments(0)道程作品/Works

2020年05月26日

作品「行」の制作1

「作品 "行” の制作過程。 木製パネルに厚手の玉潤箋を3枚張り込む」




------------------------------------------------------
これから私達は何処に向かう。何処に行く。何を行う。
人はこの境遇を如何に乗り越え未来に行く。

ようやく向かえた晴れやかな季節に、自然は変わらず咲きほこり
一見これまでとどう違っているのか分からない。
考え、悩み、迷い、言い訳をし、間違い、答えを探る。まさに行(ぎょう)。

元来“行”の文字は十字路を表す。

正しい道は。
誰にとって正しい。
それでも未来はやって来る。
-------------------------------------------------------

墨色の良い古い紙(玉潤箋)を使うが
古い紙は墨を入れるとニジム過程で繊維の灰汁とか汚れが出てくる。
それを消す方法があるのだか
通常は書いてから裏打ちをするので、その裏打ちの工程で本紙の下に一枚紙を入れ
たっぷり水を打つ事で汚れを下の紙に移す事ができる。

しかし今回は先にパネルに張り込むので
その汚れを取る作業も先に一緒にやってしまう。

一番下の紙は“捨て紙”で汚れを吸い取らせる紙。(パネルに張り込む時に剥がす所が見られると思う。)
その上にたっぷり水を打ちながら3枚の紙を重ね。最後に肌裏紙を合わせる。

書は深さなので厚手の紙を3枚合わせた。
書いた時墨は下に落ち、その後横に拡がる。厚みがある分、深さが表現できる。
そしてきっと見た目の墨色の深さも表現できると想定している。

(これほどの汚れが移った。)
  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 19:41Comments(0)道程作品/Works

2020年05月06日

母の日のとうふ発売!!


男前豆腐店さんから「母の日とうふ」が発売になりました。
2020年5月4日から5月10日までの超短期間の発売です。
是非お近くのスーパーでお求め下さい。

お皿にお豆腐をのせ醤油をかけて日頃の感謝を伝える。
“感謝のことば”はこの4種
・「愛」
・「お母さん いつもありがとう 長生きしてね 大好きだよ」
・「ママ おいしいごはん いつもありがとう だいだいだいすき」
・「母」

これを書いていた時は思ってもいませんでしたが
今は家にみんなが籠っている時。
各ご家庭でこれでひと盛り上がりして頂ければそんな嬉しい事はないです。

お母さん明るく元気で長生きしてくださいね。


  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 15:03Comments(0)依頼作品/made to order

2020年05月05日

これからのアートを考える


作品「沈黙 silent」

美術機関が閉まっている状況で
オンラインでのイベントが増えています。

地方にいる人間としては最先端の美術にアクセスし易くなって嬉しい環境でもある。
これが収束してもこの状況は続いて欲しいと願う。

トークを聞いてるとこの状況を好機と捉えてる人達が多い。
足元を見直そう。とかこれまで見ない様にしてた物事に目を向けようとか。
ともかく幾つか紹介。

アーティストのオラファー・エリアソン氏とキュレーターの長谷川祐子氏が出演したスペシャルトークセッション。

【芸術公社チャンネル開設記念トーク】ウィルス共生時代を生き抜く、芸術の想像力とは

美術ではないけど。
『これまでのFab、これからのFab』座談会vo.01
『これまでのFab、これからのFab』座談会 vo.02
私の知り合いも大勢。
・京都にあるヴィラ九条山のフランスのアーティスト達のオープンスタジオ(~10日まで)

メトロポリタン美術館のwebサイトですが
 あらゆるジャンルの作品が高解像度で見られ、しかもダウンロードもできる贅沢なサイト。
 きっと実際の会場よりも近寄って見られるんじゃないかな。

色んな所で元に戻るというよりは、違う未来を求め、変化を望んでいる感じがする。
新しい視点なのか、原点にたち返るのか。アーティストそれぞれによると思うけど
2020年が分岐点になるのは明らか。

  
  • LINEで送る


2020年04月28日

なんのために書く


作品「沈黙」

ある音楽家の話でバッハの時代は神様が居た時代で
神に祈りつつ作曲をしていた時代と話していて、ふと気が付いた。

自分達の書いている古典の書なんかは
バッハやダビンチなんていうよりもずっと前の人達。
神様は現実に居ただろうし、恐れもしていた。

京都で言う中世は応仁の乱(1467年~1478年)以前の事らしいが
(ちなみに応仁の乱を境に戦前戦後という話も・・)
宮大工にとって修復するのに面白いのはこの中世以前の建物らしい。
という話は以前にも書いたかもしれないが、いま一度。

それは価値観が今の人間とは全く違うからという話で
戦乱の時代、まず家という集合体がほとんど無い。
今なら将来の夢とか言えば、両親、祖父母を見て
それを評価してこうなりたい、なりたくないとか言える。
しかし両親、祖父母が居なくて、自分もいつ死ぬか変わらない時代。
興味があるのは自分が死んでからの世界。

だから親族よりも神仏の存在の方が近しかったという話。

私達が臨書している貴族達も同じ心境だったかは分からないが
源氏物語なんかを見ると、神仏に身を委ねている所は感じられる。

ともかく気付いた事は
自分が書いている日本の古典は
私達と同じ価値観の人間達が書いたモノではないという事。
ましてや金文なんて3000年も前のもの。


  
  • LINEで送る


Posted by HIROSHI UETA at 18:46Comments(0)道程作品/Works