京都の衰退!?

HIROSHI UETA

2011年03月07日 23:49


屋根の上でよく見かける鐘馗さん(北斎漫画より)

昨日、京都文化ベンチャーコンペティション最終審査を見に入って来ました。
京都府の主催する催しで今回は4回目。
ビジネス下手な私の頭を刺激しないとと思い、初めて足を運びました。

昨今の京都の文化の衰退は顕著なもので
呉服屋を初め、エッ!アソコが?いう老舗も暖簾を下ろす事もままあり
また、四条河原町周辺の街の荒れ様も酷い物。
梶井基次郎の「檸檬」で有名で私もお世話に成っていた
丸善がカラオケボックスに成った時も
「なんでやねん」と諦めの様な突っ込みしか出てきませんでした。

そんな京都・日本文化をビジネスの観点で何とかしようと
アイデアを競うのがこのコンペ。(・・と私は見ました)

漆、竹工芸、友禅、町屋等を新しいアイデアで商品化
もしくは、今の生活事情に即した提案がされていました。

いつも思う事ですが、ネックなのはコスト面。
アナログな仕事をしている、職人・作家達の商品・作品はどうしても高い。
それが、世間一般の価値基準から見ると現実味を失わせるのですよね。

では安くするのか?と言っても
出来ないのが現実。
もう既に安くしてて、ピーピー言ってる人も多く居ますし
また、それをしてしまうと制作側の目一杯の仕事が出来なくなり
技術の低下にも繋がります。(モノを作る側の責任が問われる事も・・・)

また、今の職人・作家が経済的に成功していないと
それに憧れる次の世代もきっと居なく成ります。

やはり、安い物を大量に買うよりも、良い物を一つ長く使うという価値観
ライフスタイルを消費者側に提案していく事も大事なのか?

ここ最近、アートの分野でも作品を買う事を提案する傾向が
見られる様に成ってきました。
映画「ハーブ&ドロシー」でもそうだし、世界中で開催されているアートイベントでもそうです。
先進国の大量生産、大量消費の時代からの変換期が
きつつあるのかも知れないですね。

京都はいつも流れの後追いな所があるのですが
こういう事こそ
多くの芸大があり、職人を抱える京都が
先陣をきらないといけませんよね。