「うねり」の時代。

HIROSHI UETA

2010年05月27日 15:05


作品「うねり」


最新作です。
細い線で「う」、太い線で「ね」、エンボスで「り」と成っています。

NHKでドラマもやっている様ですが
今、司馬遼太郎著「坂の上の雲」を読んでいます。
日清、日露戦争時の個人々々の人物が魅力的なのは勿論なのですが

明治に成り、国の存亡を掛け
強引にも国際社会に名乗りを上げた日本。
それに翻弄されつつも、戦場に駆り立てられる民衆。

国家という事を始めて認識した同世代の人々が
訳の分からないそれを背負わされ
極寒の中、空腹と不眠に耐えつつ
泣きながら、震える手で引き金を握る。

そんな普通の人々が
何千、何万と一瞬の内にバタバタと倒れ死んでいく。
今は名も無き人々の思いや死の上に
今がある現実。

小説家の辺見庸さんは十年程前の日曜美術館で
「今は闇の時代、その闇は今後もっとひどくなって行く」と言っていました。

関係ないのかも知れませんが
何となく私の中で繋がっている様な気がして成りません。

太平洋戦争も経験した知り合いのお爺さんは
「段々良い方向に向かっている。」と言っていたのが
何となく救いの様に感じていますが・・。

答えが出ていないので
投げ捨ての様な文章でスミマセン。


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