作品「行」の制作3 墨の話

HIROSHI UETA

2020年06月03日 13:19


書が3Dである事は話した。
どうすればその表現ができるのか墨の調節。

墨は浸透して紙の中に入りそこから横に拡がる。
墨のにじみをよく観察すると、紙の表面ではなく内部である事が分る。
では紙の上で留まる荒い粒子と内部に浸透する細かい粒子を混在させれば
その表現が可能になると思いこの様な墨を使用した。

削墨。

墨を木型に入れて形成する時にできるバリ部分を
カンナで削り落としたモノで、コレを使って提灯や歌舞伎のマネキを書くのに
使われる墨で、今回求めたのは元々五ツ星と言われる最高級の墨の削墨。
コレをすり鉢で細かくする。

こうすれば荒い墨と、五ツ星の細かな粒子が混在させる事ができる。


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