「榲桲に目鼻のつく話」が金メダル!

HIROSHI UETA

2020年04月24日 19:46


ぶん 泉鏡花× ゑ 中川学 「榲桲に目鼻のつく話」


カバーを外すと。

絵本「榲桲(まるめろ)に目鼻のつく話」がオランダ・アムステルダム主催の
国際デザインコンペIndigo Design Award 2020 Book Design部門でGOLDを受賞しました。

ブックデザインはiD.の泉屋宏樹さん。
泉鏡花 絵本化シリーズのイラストレーター:中川学さん×デザイン:泉屋宏樹さんのタッグの
三作目になるのかな。
始めは「龍潭譚」。二作目「化鳥」。そしてこの 「榲桲に目鼻のつく話」。

それぞれ色んな所で活躍してる本で「龍潭譚」「化鳥」はアジアデザイン賞を受賞しましたし
「化鳥」の英語版は昨年イタリアで受賞しました。

このシリーズの素晴らしいのは先ず中川学さんが泉鏡花作品を大好きな所。
そして泉鏡花記念館がその中川学さんの絵を評価し、鏡花作品を表現するのに相応しいと企画にも参加している事。
そしてこの間を取り持ったのが泉屋さんの行動力だったという事。

初めからこの馴れ初めを知ってる者にとっては奇跡の連続でコレがあると思うと
何だか感慨深いモノがあります。

中川さんは自身の個展用にこれまで好きだった泉鏡花の作品を絵本化しようと
「龍潭譚」を描き上げ、自分で手作りで本にしていました。
これを自費出版で絵本化しようと、泉屋さんに相談。泉鏡花の何たるかを知らなかった彼は
早速、金澤の泉鏡花記念館に足を運んでみます。ソコで中川さんの絵をみた記念館の学芸員さんは
ウチで展示してみませんか?とのお話。・・・とまあざっと言うとこんな嘘みたいな話で今があります。

ともかく豪華版な「絵本 龍潭譚」が完成し、大阪で展示会を開き、トークイベントに来ていた方が
コレの絵を動かしてみたいと挙手。是非!って事で映像制作の青木香さんが参加。
この 「榲桲に目鼻のつく話」もアニメーション化されています。

人のご縁ってホントに面白い。

泉屋さんの面白い所は何にでも興味を持つ所と、動く事。
印刷屋さんの印刷機械の所までも足を運びます。紙を触りサワリしながら確かめます。
くどい位の確認の連絡が来ます(笑)。とにかく丁寧なんですよね。
そして知らない事は調べもしますし、武器にもします。
何でもそうですが、知り過ぎるとどうしてもマニアックになります。マニアックになると一般向きで無くなる。
より多くの人に伝えないといけないデザインの仕事では消費者の目線を忘れてはいけませんよね。
とにかくソコの差し引きが上手いんだと思っています。

でも本質はマニアック側の人なので絵本の中に隠しアイテム作ったり
特装版用にこういうのを作ったり

なんなら手作業でも構わないと、よく手作りをしてしまったりします。
手間を惜しまない人。

本当はもっと多くの人が関わってるのですが
ともかくそんな人々が集まり 「榲桲に目鼻のつく話」が受賞しました!
おめでとう!!

私もここに関わらせてもらっています。


榲桲に目鼻のつく話 特装版
   普及版は全国各書店にて発売中
・絵本「化鳥」(日本語版) https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336055446/
・絵本「化鳥」(英語版) https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336062086/
・龍潭譚 販売終了しましたが 特設サイト

泉屋宏樹さんのブログでhttp://blog.id-izumiya.jp/archives/2019/03/19-160147.php
デザインのこだわりも見て頂けます。
宜しければお手元にいかがでしょう。


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