作品「行」の制作1
「作品 "行” の制作過程。 木製パネルに厚手の玉潤箋を3枚張り込む」
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これから私達は何処に向かう。何処に行く。何を行う。
人はこの境遇を如何に乗り越え未来に行く。
ようやく向かえた晴れやかな季節に、自然は変わらず咲きほこり
一見これまでとどう違っているのか分からない。
考え、悩み、迷い、言い訳をし、間違い、答えを探る。まさに行(ぎょう)。
元来“行”の文字は十字路を表す。
正しい道は。
誰にとって正しい。
それでも未来はやって来る。
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墨色の良い古い紙(玉潤箋)を使うが
古い紙は墨を入れるとニジム過程で繊維の灰汁とか汚れが出てくる。
それを消す方法があるのだか
通常は書いてから裏打ちをするので、その裏打ちの工程で本紙の下に一枚紙を入れ
たっぷり水を打つ事で汚れを下の紙に移す事ができる。
しかし今回は先にパネルに張り込むので
その汚れを取る作業も先に一緒にやってしまう。
一番下の紙は“捨て紙”で汚れを吸い取らせる紙。(パネルに張り込む時に剥がす所が見られると思う。)
その上にたっぷり水を打ちながら3枚の紙を重ね。最後に肌裏紙を合わせる。
書は深さなので厚手の紙を3枚合わせた。
書いた時墨は下に落ち、その後横に拡がる。厚みがある分、深さが表現できる。
そしてきっと見た目の墨色の深さも表現できると想定している。
(これほどの汚れが移った。)
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