「伝える事」-いま一度、2021の知恩院秋のライトアップの展示「月影」

HIROSHI UETA

2022年06月05日 03:25

2021年秋の知恩院での展示「月影」を
振り返らせて頂きます。

知恩院での秋のライトアップの際に
友禅園内の白寿庵にて展示をさせて頂きました。

この様にチラシも


美しい庭園 友禅園の中の白寿庵。




月影は月光の事。月の光は白いのでLEDの白い光で差し込む光を表現しました。

期間中多くの方に見て頂けました。


この展示企画をして頂いたVESSEL株式会社さんが大事にしていたのは「伝える」事。
私の知る正しい情報を伝えて欲しい。という強い意図ありました。
そこで行ったのが


書の道具の勉強会。
京都古梅園さんから墨をお借りし、墨の製造方法から硯と墨の相性
同じ墨でも硯、紙が変わると墨の表情も変わるという話をさせて頂きました。

また知恩院三門前の大階段に50mの法然上人の書状の巨大臨書を展示させて頂き

臨書する事で感じられた法然上人像を三門前でお話させて頂きました。




知恩院に来ていても、法然上人の事は知らないとか。
文字を書くことはどういう事か。
月影の歌の意味は。
墨の本来の扱い方、使い分け方。
そんな事を数人にでも伝えられたのだったら嬉しいです。

本当は自分の知ってる事なんてまだまだ浅くて
勉強しないといけない事が膨大にあるのですが
それでも自分のできる事、知ってる事をキチンと ”伝える” 事は引き続きやらないといけないと感じています。

そうしないと、書道業界だけみても
墨を磨る人は減る一方だし、そうすると硯作る人も居なくなる。
墨の良し悪しが判断できる人が居なくなると、墨の業界も佳い墨をわざわざ作る必要もなくなる。
技も術も目も悪くなる一方です。

きっとこれは私に限った事ではなくて
あらゆる業界に言える事でしょう。皆さんドンドン ”伝える” 努力をしていきましょう。


貴重な経験と体験をさせて頂きました。
知恩院さん、VESSEL株式会社さん、お出で頂いた皆さん
ありがとうございました。


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