Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2019年07月31日

Jazzビッグバンドとのコラボレーション

JazzビックバンドKyoto Composers Jazz Orchestraさんとの
コラボレーション公演『音、沈黙と測りあえるほどに』が7月5日にありました。

トランペットのユンさんの攻撃的なソロには
静で対抗。
墨がジワ~と浸み込んでいく冷たさ、感触。

会場は京都芸術センター。元明倫小学校の講堂という素敵な空間。
(芸術センター内には商品ロゴを書かせて頂いてる前田珈琲さんもありますよ。)


養生した上に約7m×6mの紙面を用意。
照明がセッティングされ、影の様子をチェック。

パリでチェロミュージシャンのGaspar Clausさんと一緒に演った頃から
セッションという形で演奏者との駆け引きする事が楽しくなっています。

谷口さんとの演奏はバックの音が無く、静寂の中
トロンボーンと筆の走る音、墨の滴る音のみで駆け引き

これまで
書をする自分と、ミュージシャンとしての自分を一緒にする事は出来ないのか・・。
と考えていましたが、ここに来てようやく繋がってきた様に思います。

ひとつは墨を磨る音、落ちる音、筆の走る音も音楽としてなり得ると感じた事。

またセッションする駆け引きは、ブルースを演奏する上で散々これまでやってきました。
相手が出てくれば、引く。 または一緒に絡んでいく。 自分が前に出る、相手が引く。
音を聞きながら、アイコンタクトを送り合ったり、身振りで指図なんかも使いながら
時にしつこく。 時に間を置き。 リズムに添い、または裏をとり。

こういう音楽の醍醐味を知ってる事が、共演するミュージシャンとの駆け引きを楽しくしてくれます。

この曲にはお坊さんの読経が絡み、またソプラノの声もはいります。
作曲の山本翔太さんはこの機にお経も沢山勉強されたとか。
またソプラノの声も歌というよりは楽器的要素として使われていますが
やはり声って強いですね。非常にドラマチックに感じられます。

抽象的な曲ですが全くのセッションという訳ではなく、曲としての筋は決まっていますので
私も大体の曲の流れを頭に入れました。しかしイメージを何となく想像しただけで
私のやる所は全くのぶっつけ本番。
またサックス、トロンボーン、トランペットのソロは互いにアドリブです。

音を記録し、また一緒に奏で、墨の薫り、またその冷たさも見て感じて欲しい。
そんな風に思っていました。
本当にスリリングで、繊細で、大胆で。
夢中でしたが何とも言えない気持ち良さと
あとに引く余韻で次の日までビリビリしていました。

全ては伝わらないのですが
youtubeに上げて頂いていますので
良かったらどうぞその一端をご覧になってみて下さい。
微かな音と大きな音が混在していますので気を付けて頂きたいのですが
できたらボリュームを大きくして、墨の落ちる音や筆の走る音も
聞いて頂けたら嬉しいです。

またこの公演を音楽ライター/ジャズ評論家である方が記事を書いて下さって
yahooニュースに掲載して頂いています。
コチラも是非読んで頂ければと思います。

次は京都で開催されるアンスティチュ・フランセ主催の「ニュイブンシュ」(10/5)に
パリのダンサーとコラボレーションパフォーマンスをする予定です。
より進化させるつもりでいますのでどうぞお楽しみに!


京都コンポーザーズジャズオーケストラ directed by 谷口知巳
作編曲:山本翔太
ソプラノ:岡本真季
読経 :鈴木康照 清水考彦 山口顕慎 夏井皓栄
 書 :上田普
総合演出 谷口知巳

  
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