Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2010年10月06日

莫山先生逝く

莫山先生逝く
榊莫山著 「文房四宝シリーズ 紙の話」より 
作品「行」

榊莫山(さかきばくざん)氏がお亡くなりに成った事を
夕方のニュースで知りました。

「莫山先生の爆弾発言」「よかいち よかいち」で
いっきに有名に成った方ですが
私の尊敬する書家のお一人でした。

榊氏は若い頃から書芸院展等の中央書壇で活躍された方でしたが
そのあり方に疑問を唱え
早くから脱退し
一人の書家として活動されて居られました。

たまにTVで拝見する時は
そのざっくばらんに飄々とした感じがそのお人柄をも伺い知れ
人としても素晴らしい方だったのだろうと想像し得ます。

個展等をしててよくお客さんに聞かれた事で
「莫山先生は上手いの?」というのがありました。

毎回答えていたのは「凄く上手いです。」
私なんかが批評するのもおこがましい事ですが
技術は勿論の事、上手さを越えた何かがある事。
作品を見れば莫山氏の手のものと分かる独創性。
そしてその見識の広さは著書を見れば一目瞭然でした。

羊毛を使った柔らかい線。
墨色の美しさはピカイチです。

現在、独立し書家として活動している者は多くいますが
その様な活動が世間に認知されたのも
書道は中央書壇以外に道が無かった時代に
その先駆者として様々な困難を乗り越え
新たな道を切り開いて下さった莫山先生おかげなんです。

感謝と共に
榊莫山氏の御冥福を祈り
私自身の事ももう一度見つめ直したいと思います。
莫山先生逝く
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Posted by HIROSHI UETA at 04:11│Comments(0)
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