Contemporary Japanese calligraphy artist Hiroshi Ueta

2020年04月07日

当たり前を考える。

当たり前を考える。

作品「忄(りっしん)」 2019

神様、仏様の前では願い事をしますか?
お守りにもそういうのが沢山ありますよね。
家内安全や交通安全、厄除け、良縁とか・・。

フランスのアーティスト達と話してたら

=え!教会でお願い事するの?なんで?
 神は全てを知ってるんだからお願い事なんかしないよ。

じゃあ例えば教会でお祈りしながら何を言ってるの?
=感謝。

おお~!
=いつも見守ってくれてありがとう・・みたいな。

こういう違いって面白い。
神だのみという言葉さえも無い訳ね。
「なんならお願いする時に自分の名前や住所まで伝えとく人もいるよ。」
なんて話すと大ウケしていた。


文字鑑定、筆跡鑑定のジャンルの研究をしてるアーティストに
この文字からなんか読み取れる?って見せられたアメリカの精子ドナーの手紙があって
英語なんで難しいなあと思いながら、文字の書き方や、クセから感じる事を話していたのですが。

ああ、そう言えば家に遺書や死刑囚の残した絵や文章の本あるよ。興味ある?
=エッ死刑があるの?
うん。あるよ。

=自殺するのになんで文章残すの?
何か言いたい事があるからじゃない。

=言いたい事があれば言えばいいじゃない。
んんん・・・。

死刑の事は法律の事だからここでは一旦置いといて
遺書って言いうのはもしかして文化なのか?
自分の意思ではないにしろ自殺しないといけない場面(切腹とか)が昔はありました。
そういう時は言い残した事がきっとあります。
だから遺書というモノができて、遺書という言葉が日本にはある。
遺言とはちょっと意味合いが違いますよね。

ともかく日本には死刑があり、遺書がある。
当たり前な言葉だと思ってた事が、当たり前じゃ無かった訳で。
色々と考えさせられるきっかけになったというお話。

なんなら絶筆というのもありますね。
お坊さんがいよいよという時に
弟子達が「最後に一言!」と筆と紙を差し出す。
なぜ言葉じゃなくて書き残すという事になったのか、これも考えると興味深い文化。
当たり前を考える。
(ちなみに私は基本お願い事はしない派)
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Posted by HIROSHI UETA at 13:24│Comments(0)作品/Works道程
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